<レスリング>“天才女子レスラー”アミト・エロル(米国)は68kg級でパリ・オリンピック挑戦

2022・23年に女子72kg級で優勝し、現在、アルバニアで行われているU23世界選手権で2年連続優勝を遂げたアミト・エロル(米国)が優勝のあと、世界レスリング連盟(UWW)のホームページに対し、68kg級でのパリ・オリンピック挑戦を明言した。

今回のU23世界選手権では、4試合を闘い、1回戦が16秒、2回戦が18秒(ともにフォール)、決勝が21秒での勝利(テクニカルスペリオリティ)。準決勝だけがフルタイム闘って5-0のポイント勝ちという強さ。米国の同級はオリンピックの出場枠を取っていないため、国内予選を経て来春のパンアメリカン予選に挑むことになる。

▲2年連続でU20・シニア・U23世界選手権を制したアミト・エロル。68kg級でパリ・オリンピック挑戦を宣言=UWWサイトより

同選手は2004年1月1日、ロシア人の母との間に生まれ、現在19歳。当初は柔道に親しみ、10歳からレスリングを始めた。国際舞台のデビューは2018年U15パンアメリカン選手権(優勝)。翌2019年の世界カデット(現U17)選手権は準決勝で中井ほのか(当時愛知・至学館高)に敗れて3位。

以後、2021年世界カデット選手権2021~23年U20世界選手権(2021年は「ジュニア」の呼称)、2022・23年U23&シニア世界選手権を制覇。10代にして4世代の世界選手権制覇、4世代で8度の世界一、2年連続で同一年のU20・U23・シニアの世界選手権制覇、男女を通じた米国史上最年少の世界チャンピオン、10代で2度のシニア世界チャンピオンなどの快挙を達成。

パリ・オリンピックに出場して優勝すれば、須﨑優衣(キッツ)に続くグランドスラム(オリンピック+4世代の世界一)達成となる。UWWによると、国際大会の成績は中井ほのかに敗れただけの38勝1敗。

エロルは「体重を68kgまで落として、そこでどういう感触かをまず確かめたい。2021年まで68kg級でやっていましたけど、U17での試合であり、それから2年がたっています。大きな挑戦になるでしょう」とコメント。スピードとコーディネーション(技の流れの調整)に取り組む必要を話し、「自分の武器をさらに増やす必要があります。私はそれに挑みます」と話した。

▲2019年世界カデット選手権で3位のアミト・エロル(右端)。中井ほのか(左から2人目)戦が生涯唯一の黒星となるか=チーム提供

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