「名選手、名監督ならず」ということはよく言われるが、もちろん名選手でありながらも監督として成功を収めた人物も数多い。
今回は2023-24シーズンに監督としてクラブを率いて戦っている世界的な名選手をご紹介する。
アンドレア・ピルロ
クラブ:サンプドリア
現在の順位:2部17位
古巣であるユヴェントスで監督としてのデビューを飾ったものの、1年で解任されることになったアンドレア・ピルロ。昨季はトルコのファティ・カラギュムリュクで指揮をとったが、またも1年で解任されている。
そして今季はセリエBに降格したサンプドリアを指揮しているが、開幕から2勝3分け6敗と結果が出ていない。先日はファティ・カラギュムリュク時代の選手だったカジム・リチャーズから「ハーフタイムに喫煙を許す監督は初めてだった」と暴露されていた。
ウェイン・ルーニー
クラブ:バーミンガム・シティ
現在の順位:2部14位
ダービー・カウンティで選手兼監督に就任し、その後指導者に専念することになったウェイン・ルーニー。それからアメリカに戻って古巣のDCユナイテッドを指揮した。
今年はプレーオフ進出を逃したことをきっかけとして10月8日に退任。なんとその2日後には「6位なのにジョン・ユースタス監督を解任した」バーミンガム・シティに電撃就任するも、それからなんと3連敗。14位までランキングを下げている。
カルロス・テベス
クラブ:インデペンディエンテ
現在の順位:セカンドステージ2位
アルゼンチンの名ストライカーであるテベス。指導者には向いていないタイプだと思っているファンも多かったが、2022年に選手としての引退を発表した直後にロサリオ・セントラルに監督に就任。5ヶ月指揮したあとでクラブの会長選挙を理由に退任した。
そして今年8月には下位に低迷していた名門インデペンディエンテに招聘され、セカンドステージでは10試合で5勝3分け2敗で14チーム中2位と好成績を上げている。
ティアゴ・モッタ
クラブ:ボローニャ
現在の順位:セリエA7位
バルセロナでデビューしたブラジル人選手であったが、その後イタリアに帰化して代表入りした名ボランチ。インテルやパリ・サンジェルマンでの活躍が印象的だ。
2018年に引退したあとパリ・サンジェルマンのユースで指導者となり、2バックシステムを使うなど意欲的なコーチングで話題に。それからジェノア、スペツィアを経て昨年からボローニャを指揮している。
ファビオ・グロッソ
クラブ:リヨン
現在の順位:リーグアン最下位
イタリア代表で2006年のワールドカップを制覇した攻撃的左サイドバック。ユヴェントスでプレーしたのを最後に現役引退し、2013-14シーズンからそのユースの各年代で指導を行った。
2017年にバーリで監督デビューし、ペスカーラのファンに家を破壊されるなど過酷な経験をして1年で退任。その次のエラス・ヴェローナ、ブレシア、シオンと全く結果が出ずに解任されたが、2021年にはフロジノーネでセリエBを制覇している。なお、今季は最下位に沈んだ古巣リヨンの監督に途中就任したが、未だに勝てていない。
ジェンナーロ・ガットゥーゾ
クラブ:マルセイユ
現在の順位:リーグアン8位
イタリア代表の狂犬ガットゥーゾ。スイスのシオンで2012-13シーズンに選手兼監督を務めたことをきっかけに指導者となり、それからパレルモ、OFIクレタ、ピサで指揮。ギリシャ時代は給与が未払いになったため、選手にポケットマネーを何百万円単位で渡していたとか…。
それからACミランのユース、ACミランのトップチーム、ナポリ、バレンシア、マルセイユと指揮した。2021年にはフィオレンティーナ就任が発表されたが、契約が開始される2週間前に退任している。
パトリック・ヴィエラ
クラブ:ストラスブール
現在の順位:リーグアン14位
アーセナルやインテルで活躍した世界的名ボランチのパトリック・ヴィエラ。2011年に引退後はマンチェスター・シティのアカデミーやリザーブで指導をし、2016年にニューヨーク・シティで監督としてのデビューを飾った。
アメリカで経験を積んだ後、2018年にフランス・リーグアンのニースで監督に。さらにイングランド・プレミアリーグのクリスタル・パレスを指揮したが、どちらも1年半ほどで解任されている。今季はストラスブールで挑戦しているが、まだ3勝1分け5敗と苦戦中。
シャビ・アロンソ
クラブ:レヴァークーゼン
現在の順位:ブンデスリーガ2位
今最も「名選手であり名監督」に近い存在といえるかもしれない。引退後はレアル・マドリーの下部組織で指導者としてのスタートを切り、そして古巣のレアル・ソシエダのBチームで監督デビュー。2年目で59年ぶりの2部昇格を勝ち取った。
そして2022年10月にバイヤー・レヴァークーゼンの監督に就任し、昨季はヨーロッパリーグの準決勝に進出。今季はブンデスリーガでも開幕から好調を続けている。
ニコ・コヴァチ
クラブ:ヴォルフスブルク
現在の順位:ブンデスリーガ9位
もう元スター選手というよりは監督としての立場が板についているニコ・コヴァチ。実はレッドブル・ザルツブルクでアカデミーの指導者としてキャリアをスタートし、トップチームのアシスタントコーチも務めたことがある。
その後クロアチア代表、アイントラハト・フランクフルト、バイエルン・ミュンヘン、モナコを経て昨年夏からヴォルフスブルクを指揮。弟のロベルトを相棒として指導を行っている。
スティーヴン・ジェラード
クラブ:アル・イティファク
現在の順位:サウジリーグ7位
ヨーロッパではないものの、急成長を遂げているサウジアラビアリーグで監督を務めているスティーヴン・ジェラード。リヴァプールの下部組織で指導をスタートし、それからグラスゴー・レンジャーズ、アストン・ヴィラで経験を積んだ。
【関連記事】なぜ?歴史的な低迷をしている「5つの名門チーム」
ただ昨季は成績の低迷により途中解任。コメンテーターとして活動していたところでサウジアラビアからオファーを受け、中東に渡った。ジョーダン・ヘンダーソンやジョルジニオ・ワイナルドゥム、ムサ・デンベレなどを引き抜き、政府系ファンドの支援を受けたクラブではないにもかかわらず上位に食い込んでいる。