大澤光民氏が死去 県内唯一の人間国宝、鋳金

大澤光民氏

  ●高岡、82歳

 富山県内唯一の鋳金の人間国宝で高岡市名誉市民の大澤光民(おおざわ・こうみん、本名・幸勝=ゆきまさ)氏は29日午前6時8分、肺炎と心不全のため、高岡市民病院で死去した。82歳。自宅は高岡市下伏間江148。通夜は30日午後7時から、葬儀は31日正午から、いずれも同市下黒田、オークスセレモニーホール高岡で。喪主は長男の幸治(こうじ)氏。

 大澤氏は伝統的な金工技法である鋳金の焼型鋳造の高度な技を受け継ぎ、1980(昭和55)年、「鋳(い)ぐるみ」という器の表面に模様を表す技法で独自の作風を確立し、2005年に人間国宝に認定された。県内では2人目の認定で、鋳金の人間国宝は史上3人目。

 1958年、県立職業補導所の銅器科を卒業、69年、独立して大澤美術鋳造所を創立。72年に日展初入選、74年県展大賞、78年日本伝統工芸展初出品入選など多くの公募展で受賞を重ねた。

 日本工芸会理事、同会金工部会幹事、同会富山支部幹事長、県工芸作家連盟常任委員、高岡市作家連盟顧問、高岡銅器伝統工芸士会副会長幹事を歴任した。

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