淡路島の津名港、16年ぶりに航路として利用 神戸とを結ぶ海上実証実験 アンケートで高評価、サイクリスト「定期便にして」 兵庫

津名港に着いた観光遊覧船から降り立ったサイクリストや観光客ら=淡路市志筑

 兵庫県淡路島と神戸市・須磨海岸を結ぶ海上航路実証実験で、同県淡路市の津名港が28、29日、16年ぶりに航路として利用された。須磨からの船が港に着くと、自転車とともに乗ってきたサイクリストらを太鼓演奏などが出迎えた。30日も運航する。

 津名港はかつて、淡路島と阪神間を結ぶ船が発着。神戸、西宮港、大阪・深日港、関西国際空港などを結んだ。1994年にはターミナル施設も整備した。

 しかし、98年の明石海峡大橋開通で船の利用者が減少。航路休止が相次ぎ、2007年に大阪・泉佐野港と結ぶカーフェリーの休止を最後に全航路がなくなった。以降、高速バスや路線バスのターミナル、プレジャーボートやヨットの係留施設として使われてきた。

 実証実験は昨年、神戸市が始め、淡路側の発着場所は淡路市北部のあわじ交流の翼港だけだった。淡路市によると、アンケートで航路への好評価が多い上「島の南で降りたい」との意見があったという。津名港の新たな活用につながればと今年は同市も実施主体に加わり、港を「開放」した。

 28日は津名港行きの初回便に約60人が乗船。太鼓集団「国生み太鼓」が力強く演奏する中、観光客らが次々と降り立った。

 神戸市須磨区の会社員で自転車愛好家の男性(63)は「津名は島内の南にも北にも行きやすい。定期便にしてほしい」と話した。30日の運航時間などは「2023スマアワShip&Cycle」で検索。(中村有沙)

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