西島秀俊と芦田愛菜が親子役で初共演! 天才指揮者と娘のヒューマンドラマ「さよならマエストロ」

TBS系では2024年1月期に、西島秀俊と芦田愛菜が共演する連続ドラマ「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」(日曜午後9:00、開始日未定)を放送することが決定。2人は本作が初共演となる。

「さよならマエストロ」は、「凪のお暇」「妻、小学生になる。」(ともにTBS系)などを手掛けた大島里美氏によるオリジナルストーリー。天才指揮者だったがある事件で家族も音楽も失った父と、そんな父を拒絶し音楽を嫌う娘が、地方オーケストラを通して失った情熱を取り戻し、親子の絆と人生を再生させていくヒューマンドラマだ。ちなみに、副題にあるアパッシオナートとは、イタリア語のappassionato。音楽の発想標語の一つで、「熱情的に」「激しく」の意(大辞林第4版より)。

「日曜劇場」枠への出演は2015年の「流星ワゴン」以来9年ぶりとなる西島が演じるのは、主人公・夏目俊平。20代の頃から海外で活動し、数々の有名オーケストラと共演してきた才能あるマエストロ(指揮者)。大好きな音楽に対して常にアパッシオナート(情熱的)に向き合い、その情熱はいつも演奏家たちの眠っていた情熱を呼び覚まし、火をともしていた。しかし、音楽以外の能力はゼロで家事は何一つできないポンコツ。超マイペースかつ天然な男でもある。5年前に起きた事件をきっかけに家族は夏目のもとを去り、夏目自身は音楽界から離れていたが、日本のある地方の楽団の指揮をするために数十年ぶりに帰国する。

そんな夏目の娘・響役を芦田が務める。芦田の「日曜劇場」枠への出演は、11年の「南極大陸」以来となる。放送当時は7歳だった芦田だが、本作では市役所に勤務する20歳の女性を演じる。父親とは真逆で音楽を嫌い、音楽のない人生を送っていた響は、5年前の事件をきっかけに父と決別。ところが、父が突然帰国することになり、気まずい同居生活が始まる。

「ただ、あなたに聴いてほしかった。1人ではできないことも、みんなでやればできる。過去も、未来も、必ず乗り越えられる」――世界的天才指揮者の俊平が、なぜ愛する音楽の世界から退くことになったのか? 5年ぶりの娘と再会し、天才故に娘の気持ちが分からない俊平が、父としてもう一度娘と向き合う中で、5年前から時間が止まってしまっていた“娘の人生”を少しずつ動かしていく。人の心の内側を丁寧に描き出す大島氏が、初めて「日曜劇場」を担当し、言葉と音楽が奏でる豊かな旋律と圧倒的スケール感に注目だ。

劇伴を担当するのは、「テセウスの船」「日本沈没―希望のひと―」(ともにTBS系)をはじめ多くの作品を手掛けている菅野祐悟氏。近年はメディアを通した作曲活動とは別に、「生の音楽を聴いてほしい」という強い思いから、オーケストラによるコンサート活動も行っている。

さらに、重要となる劇中のオーケストラを全面監修するのは、東京音楽大学教授であり、日本クラシック界を牽引している世界的指揮者・広上淳一氏。また、オーケストラの演奏部分は東京音楽大学が全面バックアップする。

西島は「企画書を読んだ段階から涙が出るほどで、さらに脚本を読んでみると、大島さんの心の中にあるものが繊細に描かれており、非常に音楽の力を感じました。先日、クランクイン前に本読みをしましたが、出演者の方それぞれの個性が強くて、いい意味でバラバラだなと感じました。しかし、だからこそキャスト全員で一体感が生まれたら面白いだろうなと思い、ワクワクしております」と作品への期待を語る。

役柄については、「僕が演じる俊平は、音楽に対する熱意や純粋な気持ちを持っていますが、それ故に周りが見えなくなってしまい、迷惑をかけてしまうキャラクターでもあります。今回共演する芦田さん演じる娘・響や家族とのシーンでは、全く相手にされない父親をコミカルに演じつつも、時にはそのコミカルさが胸に刺さったり、ぎくしゃくしているように見えても深いところで愛情を持っていたりといういくつもの気持ちのレイヤーがあるので、想像していないところで心が震えるような瞬間が起きるのではないかという、たくさんの可能性を感じています」と思いを巡らせる。

続けて、「マエストロ役を演じるにあたって指揮の練習をしていますが、教えてくださる先生方が本当にすてきな方たちで、本質的なこともそうですが、指揮者がどのようなイメージを持ってやっているのかということや、音楽の構造も教えていただけるので興味深く、面白いです。ただ、ものすごくハードルが高いので毎回ぐちゃぐちゃになりながらもなんとか頑張っています(笑)」と練習に励んでいることを伝える。

加えて「今作では、すてきな共演者、スタッフの方々のお力を借りて一つ一つのシーンに心を込めて演じたいと思っています。俊平をはじめ、物語の登場人物が再生していき、力を得ていくように、ドラマを見てくださった皆さんが、月曜日から『今週も頑張ろう、何か新しいことを始めよう』と力が湧くようなすてきなドラマになるように全力を尽くしたいと思います。ぜひ、ご期待ください」と意欲を燃やしている。

一方、芦田は「台本を読むと、登場人物が生き生きと楽しそうに音楽を奏でているのが印象的でした。音楽に触れたことのあるなしや、楽器の得意・不得意、音感があるとかないとかではなくて、音楽を前にしたら『音楽が好きなんだ』という気持ちだけでいいんだよ、と言ってくれる。そんなドラマなんじゃないかなと思います」と作品を解釈。

演じる響に関しては、「西島さん演じる父親の俊平にきつく当たる役なので、自分自身としては心が痛いです」と笑いつつ、「ですが、5年前のある事件をきっかけに絡まってしまった糸をうまくほぐせなくて、父親に対して素直になれない、頑固な娘を一生懸命に演じたいと思います。私も、母親からは『頑固だね』とよく言われるので、響の気持ちはよく分かります(笑)」と共感できる部分もある様子。

撮影に向け、「親子のシーンでは、素直になりきれない頑固な響と、なんとかして距離を縮めたい俊平のコントのようなコミカルなシーンが楽しみですし、独特な親子の雰囲気を作り出したいです。たくさんの登場人物が、それぞれの音をドラマの中で奏でるので、音で皆さんとつながれたらいいなと思っています」と抱負を述べている。

脚本の大島氏は「才能あふれる心優しい指揮者。音楽以外はポンコツで天然だけれど、オーケストラのメンバーや出会った人々にはとても愛される。けれど、たった1人、大切な娘だけにはとことん嫌われてしまった『パパ』のけなげな奮闘の物語です」と説明し、「ドラマ作りでは、物語のイメージから音楽を作っていただくことが多いと思います。今回は、クラシック音楽にもともと備わる豊かなドラマ性にたくさんのイメージをもらって登場人物のキャラクターを作り、心情を描いています。人物それぞれにテーマ曲があり、毎話、心と音楽がリンクした『情熱的』ですてきな演奏シーンがあります」と展開について触れる。そして、「普段クラシックを聴かれない方にも、さまざまな人物たちの、音楽の力で限りなく豊かに膨らんでいく感情を一緒に楽しんで体感していただけましたら幸いです」とメッセージを寄せている。

作品の企画プロデュースを担う東仲恵吾氏は「家族。かけがえのない一番の味方だけど、そばにいるからこそささいなことでぶつかったり、けんかしたり、ほんの少しのボタンの掛け違いで修復がきかないくらいの亀裂が走ることもある。そんな父娘の“喜怒哀楽”を真正面から描きたいと思って、企画しました。今作の主人公は、音楽では天才的な才能で人を魅了する指揮者だけど、娘には有り余る愛をうまく伝えられない不器用な父親です。そしてその娘もほころんでしまった父との関係から素直になれずに立ち止まっています。そんな2人が、この家族にとっての空気のような存在である“音楽”を通して、家族の止まった時を動かしていきます。そこで七転八倒していく姿がなんとも愛らしく、応援したくなるような物語になっています」と手応えをうかがわせる。

「そんないとおしい父と娘をイメージした時、かっこよさと優しさを併せもちつつ、時にチャーミングなところも見せてくださる西島秀俊さんと、心(しん)の強さがありしっかりしていながら、どこか支えたくなるような愛らしさも持つ芦田愛菜さんに演じてもらいたいと思いました。このお二人が父娘を演じてくださるのは、まさに奇跡です。お二人が演じてくださると決まってからは、父と娘のキャラクターが台本の中で、あふれんばかりにみずみずしさを持っていきました。まだ撮影は始まったばかりですが、2人での芝居は、ものすごい掛け合わせで想像以上のものになっています。何より、脚本の大島さんが書くセリフ一つ一つがとてもすてきで、心がわしづかみにされて、涙腺が緩みっぱなしです」と、西島と芦田への期待が膨らむコメントを寄せる。最後には、「今はただただ、この作品を早く皆さんにお届けすることを楽しみにしております。ご覧になっていただいた方々が、翌日からアパッシオナートな1日を迎えられるようなドラマになっております。ぜひ、ご覧ください」とアピールしている。

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