ほぼ原寸大! ロケット「カイロス」のモニュメントが那智勝浦町に、和歌山

ロケット発射の際に見学場となる旧浦神小学校の中庭に設置された巨大なモニュメント(29日、和歌山県那智勝浦町浦神で)

 和歌山県串本町田原の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げられる「KAIROS(カイロス)」のモニュメントが、発射の際の見学場として活用される那智勝浦町浦神の旧浦神小学校の中庭に設置され、29日、除幕式があった。高さ14.5メートルで、建物から先端部分がはみ出るほどの迫力。町は「ほぼ原寸大。町の新しい名所に」と話している。

 勝浦ライオンズクラブが今年2月に迎えた結成60周年の記念事業として制作し、町に寄贈した。鉄骨造りで、デザインはスペースポート紀伊を運営する「スペースワン」も協力。実際のカイロス(高さ約18メートル)に比べ、8割ほどの大きさ。費用は約800万円という。

 除幕式には町や勝浦ライオンズクラブ、地域住民ら約30人が参加。清水重延・60周年記念式典委員長(76)が「青少年が宇宙に目を向け、未来を夢見ることへの期待と紀南地方の宇宙元年を祝して建立した」などと事業の概要を説明した後、関係者でモニュメント横に設けられたプレートを除幕した。完成を祝って水ロケットの打ち上げもあった。

 堀順一郎町長は「そばの古い体育館を本年度中には取り壊すので、国道42号からもよく見えるようになる。モニュメントがあることで見学場があることを広くアピールできる」と感謝した。終了後には見学場として活用するために整備した旧校舎の屋上を皆で見学した。

 モニュメント近くには照明設備も設けており、当面11月末まで夜間(午後5時半~9時)にライトアップするという。

 カイロスの初号機発射は当初2021年度中とされていたが、コロナ禍や国際情勢の影響で部品調達が遅れるなどして延期が繰り返されており、現在のところ未定という。

© 株式会社紀伊民報