矢掛に「西町イベント広場」完成 にぎわい創出拠点 関係者ら祝う

江戸期の風情漂う町家。外観は3棟だが、2階部分がつながっている

 岡山県矢掛町が町中心部の国重要伝統的建造物群保存地区内に整備していた「やかげ西町イベント広場」(同町矢掛)が完成し、セレモニーが29日、現地で行われた。江戸期の風情漂う町家や本瓦ぶき大屋根のあるステージを備えるなど周辺景観との調和を図っており、イベント開催などを通じて新たなにぎわい拠点とする。

 地区西側の町有地(約1300平方メートル)に新設。木造2階の町家(延べ175平方メートル)は3棟が連なるような外観が特徴で、旧山陽道に面した敷地南端に置いた。1階は事務所や展示スペース、2階は災害用備蓄倉庫や多目的スペース。その北に広場、ステージのほか、災害時に避難スペースとなる屋根付き回廊を設けている。総工費は国補助を含めて2億4400万円。

 町内で観光施設を手がける株式会社やかげ宿(同所)が指定管理者となり、運営やイベント企画を行う。

 関係者約30人が出席したセレモニーでは、山岡敦町長が「町全体の活性化につなげていきたい」と述べた。早速、特産品の販売や和太鼓、鼓の演奏などが繰り広げられ、町民や観光客が楽しんだ。

 道の駅や飲食店が軒を連ねる地区東側に比べてにぎわいが少ないとして、商店主団体などが町に町有地の活用を求めていた。

完成したやかげ西町イベント広場

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