“クマ出没状況” の実態は?… 相次ぐ目撃情報に県の担当者は「クマではなかった事例も…見つけた場合は近づかず自治体や警察に連絡を」(静岡県)

県内では、10月に入ってから東部を中心に複数の市町で目撃情報が相次いでいます。静岡市では10月25日と26日に相次いで、クマの目撃情報がありました。

(勝俣記者)

「こちらのハイキングコース周辺では、先週少なくとも3回クマの目撃情報があったということです」

目撃情報があったのは、静岡市清水区の「さった峠」のハイキングコース周辺で、登山者が「クマを見た」「黒い動物を見た」という内容の目撃情報が3件寄せられました。静岡市によりますと、現時点で被害の情報は入っていないという事です。

一方、沼津市でも26日に、クマの目撃が…

(坂井記者)

「クマの目撃情報があった県道です。道路のすぐ横は木が生い茂って、 森となっています」

目撃情報は3件で、いずれも沼津市内浦三津の交番付近でした。車で走っているときに県道にクマとみられる動物が歩いていたということです。人間の大人くらいの大きさだったということです。

さらに富士市では29日未明、富士市間門の神社で、30日午前4時半ごろには、富士市中之郷の共立蒲原総合病院の近くで目撃情報が市に寄せられました。富士市では先週から30日までに、いずれも異なる場所で4件の目撃情報があがっています。市では一連のクマ目撃の通報をうけ、朝と夕方のパトロールを続けていくという事です。

さらに目撃情報は伊豆半島でも…

(山田記者)

「町内の男性がこの道路を進んできた時に、道路を渡るクマらしき物を発見したという事です」

知らせを受けた町は、猟友会などと合同で現場を捜索し、足跡のようなものを見つけたということですが、クマかどうかは特定できなかったということです。河津町では、10月20日に体長120センチ程のオスのツキノワグマが捕獲されたこともあり、町では注意を呼び掛けています。

そんな中、県の担当者は、目撃情報が必ずしもクマの情報だとは限らないと話します。

(県自然保護課 小澤真典 班長)

「黒い物体を見たというかたちで、最近問い合わせ等が多いんですけど、例えばクマだと、後ろから見た場合、カモシカやイノシシなんかだと、後ろから見ただけだと見間違える可能性もあります」

「先日の伊豆長岡町の例ですと、爪痕やフンの状況を専門家に見てもらうと、クマではなかったという事例もあります」

全国的に相次ぐクマの目撃情報。しかし、必要以上に警戒する必要はないと言います。

(県自然保護課 小澤真典 班長)

「(クマが)出没した際は、当然気を付けるべき動物だと思います」「集落に(クマが)出ていない状況だと、過度に心配される必要はないと思う。山に入るような時は鈴などを付けるようにして、自分の場所を知らせるような対策をしてほしい」

こちらは、10月に入ってから県内でクマの目撃情報があった場所をまとめたものです。東部を中心に複数の市町で目撃されていて、先週は中部の静岡市清水区でも目撃情報が寄せられています。

こちらは地図を拡大したものですが、富士市で4か所、裾野市で2か所など、同じ市内でも異なる箇所で目撃情報が相次いでいることが分かります。

10月20日には河津町でツキノワグマが捕獲されていて、県の担当者は「もしクマを見つけても近づかず、自治体や警察に連絡してほしい」と呼び掛けています。

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