ニルヴァーナの名作『In Utero』の30周年記念盤が多形態でリリース

Nirvana - Photo: James Crump/WireImage

ニルヴァーナの代表作『In Utero』の30周年記念盤が、LPスーパー・デラックスBOXセット、5CDスーパー・デラックスBOXセット、1LP+10インチ・エディション、2CDデラックス・エディション、デジタル・スーパー・デラックス・エディションの各フォーマットで発売された。3形態のスーパー・デラックス・エディションには53曲の未発表曲が収録されている。

『In Utero』のオリジナル12曲と5曲のボーナス・トラック、そしてB面曲は、オリジナル・セッションで唯一のエンジニアとしてプロデューサーのスティーヴ・アルビニをサポートしたシカゴ・マスタリング・サービスのボブ・ウェストンによって、オリジナルのアナログ・マスター・ステレオ・テープから新たにリマスターされた。

また、スーパー・デラックス・エディションの各ボックス・セットには、アルバムのアイコンであるエンジェルが描かれた取り外し可能なフロント・カバーのアクリル・パネル、未発表写真を掲載した48ページのハードカバー・ブック、20ページの新作ファンジン、ホットロッド系イラストを得意とするアーティストのCoop(クープ)によるロサンゼルス公演のポスター・リトグラフ、1993年の店頭プロモ用エンジェル・モビールのレプリカ、ギグ・フライヤー3枚、ロサンゼルスとシアトルのチケット半券2枚、オール・アクセス・ツアー・ラミネート、4枚の布製スティッキー・ツアー・バックステージ・パスが付属する。

1991年の前作『Nevermind』が約3,000万枚のセールスを記録し、文化的な激震を引き起こしたため、それに続く『In Utero』は、ニルヴァーナが世間からの期待を一身に受けて制作する最初のレコードとなった。「Serve The Servants」のメロディックなオープニングから「All Apologies」のほろ苦いエンディングに至るまで、『In Utero』は、当時絶頂期を迎えていたこの時代の最も素晴らしくも葛藤に満ちた音楽集団が、同世代の代弁者という重責と折り合いをつけ、最終的にその葛藤を乗り越えて作るべきレコードを作り上げたサウンドだった。

ニルヴァーナは1993年2月、ミネソタ州キャノン・フォールズのPachyderm Studiosで、スティーヴ・アルビニと共に6日間かけて『In Utero』をレコーディングした。 後にピッチフォークは、同アルバムに稀に見る10点満点を与え、「“In Utero”は逆説的ではあるが、生きていることを実感する力強い感覚を呼び覚ます痛烈な衝撃のようなものである」と評している。ローリング・ストーン誌のデヴィッド・フリックは「“In Utero”は、才気に溢れながらも、心を蝕み、強い怒りを感じさせ、また思慮深い、そういった多くのものを全て同時に表現している。しかし何よりも、この作品は意志の勝利なのだ」と1993年の発売当時のレビューに記していた。

1993年9月21日に発売されたニルヴァーナの3作目にして最後のスタジオ・アルバム『In Utero』は、全米アルバム・チャートで初登場1位に輝いた。

Written By Will Schube

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