フランス政府がリヨンのチームバス襲撃事件を非難…現時点で9名の拘束者に内務大臣「可能な限り最高の懲役刑が下されることを願う」

フランス政府がリヨンのチームバス襲撃事件に遺憾の意[写真:Getty Images]

フランス政府が、リヨンのチームバス襲撃事件によって開催中止となったマルセイユvsリヨンの一件を受けて遺憾の意を示した。『ロイター通信』が伝えている。

リーグ・アン第10節のマルセイユvsリヨンは、現地時間10月29日20時45分(日本時間:28時45分)にマルセイユの本拠地スタッド・ヴェロドロームで開催予定だった。しかし、リヨンのチームバスが宿泊先からスタジアムに向かう際、マルセイユサポーターによる石の投擲などの襲撃に遭い、割れた窓ガラスによってファビオ・グロッソ監督やスタッフが顔面や頭部に裂傷を負っていた。

これを受け、フランス・プロリーグ機構(LFP)は試合開催直前に開催中止を決断していた。

なお、今回の事件はスタジアム外で起きたため、LFPに減点を課す権限はないものの、延期試合を無観客開催とする決定を下す可能性はあるという。

この事件を受け、指揮官が負傷する被害を受けたリヨンは、「リヨンは、マルセイユでこのような状況が毎年繰り返されていることを遺憾に思っており、さらに深刻な悲劇が起こる前に、この種の事件の深刻さと繰り返しを評価するよう当局に求める」との声明を発表。

一方のマルセイユは「マルセイユは、プロチームのバスとリヨンのサポーターのバスが巻き込まれた、スタッド・オランジュ競輪場付近で起きた容認できない事件を遺憾に思う」、「クラブはリヨンのファビオ・グロッソ監督の早期回復を祈り、フットボール界にも社会にも居場所のないこの暴力行為を強く非難する」と、自サポーターの愚行に対する憤りを露わにしている。

また、フランス内務大臣のジェラルド・ダルマナン氏は、今回の事件でこれまでに9人が拘束されたことを明かした。さらに、フランス『BFM TV』では「みんなのパーティーを台無しにしたファンたちに、可能な限り最高の懲役刑が下されることを願っている」と強い言葉で、事件の加害者を糾弾している。

さらに、フランススポーツ大臣のアメリー・ウデア・カステラ氏は、フランス『France 2 TV』で「私たちは皆が見たくないものをほぼすべて見てきた」と、今回の一戦で起きた複数の問題を非難。

30日にリヨン側が「リヨンは日曜日のアウェイエンドで特定の人物が示した容認できない人種差別的行為を断固として非難する」との声明を発表していたスタジアム内での反同性愛主義やイスラム嫌悪、人種差別的なチャントに関しては、「それは苦痛で、不快で、嫌なものだった」と憤りを示している。

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