告示まで1週間、真鶴再生へ混戦必至 3年間で異例の3度目

左から表明順に、細田政広氏、小林伸行氏、世古口裕司氏、竹下英里氏

 神奈川県真鶴町の松本一彦町長(当時)のリコール(解職請求)成立に伴う同町長選(11月7日告示、同12日投開票)は告示まで1週間となった。松本氏が町の選挙人名簿を自らの町長選に不正利用した問題を受けて3年間で3度目となる異例の町長選は、少なくとも新人4人以上が名乗りを上げ、混戦が予想される。松本氏の不正発覚から2年が経過し、町職員の大量退職で行政機能も停滞。混乱する町の再生に向けた道筋が最大の争点となりそうだ。

 町選挙管理委員会の事前審査と神奈川新聞社の取材では立候補を予定しているのは元町職員の細田政広氏(64)、元横須賀市議の小林伸行氏(48)、著述業の世古口裕司氏(56)と医師の竹下英里氏(55)=表明順=の新人4人。町長を失職した松本氏は出馬しない意向を示す一方で、この4人以外にも立候補を示唆する陣営が複数あり、さらなる乱戦となる可能性もある。

 松本氏は町の選挙人名簿を持ち出し、2020年の町長選に不正利用。初当選を果たしたが問題が発覚した21年に辞職した。直後の出直し町長選で再選されたものの、その後も町が松本氏を刑事告発するなど混乱が続き、今年9月の住民投票でリコールが成立した。町選管によると、3年間で3回も町長選が実施された前例はないという。

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