マインツがエル・ガジのチーム活動復帰を許可…SNSでの親パレスチナ投稿で活動停止処分も再三の話し合いで和解

チーム活動復帰を許可されたエル・ガジ[写真:Getty Images]

マインツの元オランダ代表FWアンワル・エル・ガジ(28)が、チーム活動への復帰することになった。

エル・ガジは今月15日、イスラエル・ハマス紛争を受け、自身のインスタグラムのストーリーを通じて、パレスチナ寄りの投稿を行った。すぐさま当該投稿を削除したが、クラブはこの行動を問題視。17日にトレーニングと公式戦出場から除外されることが発表されていた。

マインツは元々、ユダヤ人のオイゲン・サロモン氏らによって創設された経緯があり、イスラエル寄りのクラブと言える。その点からもエル・ガジが同クラブでキャリアを継続することは難しいとの見方もあったが、クラブと同選手は度重なる話し合いを通じて、最終的に和解に至った。

そして、マインツは30日、以下の声明を通じてエル・ガジのチーム活動への復帰を報告した。

「クラブはオランダ人プレーヤーがトレーニングや試合活動に戻るための扉を開いた」

「アンワル・エル・ガジは、2週間前にSNSに公開した投稿により、マインツから公式警告を受けた。この投稿で、28歳のオランダ人プレーヤーは中東紛争に関してクラブにとって容認できない立場をとった。クラブはこれにより、ただちにトレーニングおよび試合活動に関する業務停止を言い渡した」

「それ以来、エル・ガジはクラブとの複数の会話のなかで、自身のインスタグラムアカウントへの投稿から距離を置いた。彼は投稿を公開したことを後悔しており、特にクラブ全体に悪影響を及ぼしたことを後悔している」

「エル・ガジは、中東での暴力の新たな激化につながったハマスによる2週間前のテロ行為から明確に距離を置いた。彼は、攻撃の犠牲者と現在進行中の紛争の犠牲者全員に哀悼の意を表した。また、イスラエルの生存権には疑問を持たないと述べた」

「クラブの取締役会は、クラブの従業員は価値観に縛られていることをアンワル・エル・ガジに明確に伝えた。この価値観には、イスラエル国家とユダヤ人に対する特別な責任が暗黙に含まれている。これは、ドイツの歴史における過去の出来事だけでなく、オイゲン・サロモンというFSVの創設メンバーの1人でありユダヤ人コミュニティのメンバーとの共有の歴史からも生じている。」

「クラブの価値観を守るという彼のコミットメントとエル・ガジが示した反省の姿勢、そして間違いを学ぶ機会として利用するというクラブの文化を踏まえ、マインツは彼が職務を再開するための扉を開いた。そのため、アンワル・エル・ガジはまもなくマインツでのトレーニングと試合活動に戻る予定だ」

PSVを8月1日に退団していたエル・ガジは、同月23日にフリーでマインツに加入。ここまでブンデスリーガ3試合に出場している。

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