Moto3:古里太陽がトップ争いを繰り広げて2位「初めて表彰台に登れたことを本当に嬉しく思う」/第17戦タイGP

 10月29日、2023年MotoGP第17戦タイGP Moto3クラスの決勝がチャン・インターナショナル・サーキットで行われた。参戦2年目の古里太陽(Honda Team Asia)はレース中にトップ争いを展開し、世界選手権およびMoto3クラスでの初表彰台となる2位を獲得した。

 古里はMoto3参戦2年目のライダーで、2023年シーズンはさらに飛躍した姿を見せており、序盤7戦目にして自己ベストを上回る10位を獲得し、第15戦インドネシアGPではベストリザルトを7位へと更新。第14戦日本GP以降は全てポイント獲得に繋げる走りを見せていた古里は、第17戦タイGPでもさらなる躍進を見せた。

 初日は総合16番手となるも、ダイレクト進出を果たした予選Q2では1分42秒471をマークし、トップから0.410秒差の6番手を獲得した。決勝ではポジションを維持してスタートを切ると、トップ集団の中で積極的に仕掛けていき、一時は先頭に立って集団を牽引していく姿もあった。

Moto3 :古里太陽(Honda Team Asia)/2023MotoGP第17戦タイGP

 周回を重ねるごとに目まぐるしく順位が入れ替わる激戦は、ファイナルラップまで展開。4番手につけていた古里は、前を走るコリン・ベイヤー(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)のミスを見逃さず、2番手に順位を上げると、後方からの追撃に怯むことなく、最後はそのまま守り切ってチェッカーを受けた。

 自己ベストリザルトを大きく更新するだけでなく、トップ集団にも加わってレースを展開し、ランキングトップのジャウマ・マシア(Leopard Racing)にも一切引きを取らない走りを見せた。そんな古里は、2022年シーズンのランキング26位を大きく上回る16位に浮上しているが、残り3戦でもさらなる成長ぶりを見せてくれるのではないだろうか。

Moto3 :2位表彰台を獲得した古里太陽(Honda Team Asia)/2023MotoGP第17戦タイGP

■古里太陽
「僕は世界選手権で初めて表彰台に登れたことを本当に嬉しく思っています。今週末は金曜日の最初の走行からマシンは良いフィーリングでした。僕はダイレクトにQ2進出でき、そこでも高い競争力を発揮することができました」

「予選ではクラッシュを余儀なくされましたが、チームは懸命にマシンを修復してくれました。そのおかげで、僕は今日の表彰台をチームと一緒に獲得することができました。シーズン開幕当初は、1周のみ速く走れることができましたが、レースでの競争力は高くありませんでした」

「夏休みが明けて、僕は大きくステップを踏み出すことができるようになりました。それはブレーキングスタイルを変更して、マシンの減速からスロットルを開けるまでを見直したことです。それがとても効果的に作用していると思います」

■青山博一監督
「今日は19周に渡るとてもエキサイティングなレースでした。そして私たちの3名のライダーは対照的な結果を残すことになりました。古里選手は見事2位でレースを終え、表彰台に登りました。また、彼には最後の瞬間まで優勝の可能性が残されていました。今日の彼は本当に速く、コンスタントなペースで強い走りを披露しました」

「今日のこの結果を成し遂げるために努力してくれたチーム、そしてスポンサーの皆様に感謝の意を表したいと思います。次戦マレーシアでは、すべてのライダーが表彰台を目指して戦うことを期待しています。そしてチームとしてさらなる成長を続けるつもりです」

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