堀川未来夢V2へ 片山晋呉4勝、キム・キョンテ2勝……複数回優勝の2人と昨年覇者に共通する“スキル”とは

堀川未来夢(C)Getty Images

男子ゴルフツアー第22戦「マイナビABCチャンピオンシップ」は、11月2日から兵庫県のABCゴルフ倶楽部(7,217ヤード、パー72)で開幕する。

距離も短く戦略性が求められるABCゴルフ倶楽部の攻略には、コースマネジメント力が必要で、歴代の優勝者を見ても、片山晋呉キム・キョンテが複数回制覇。昨年本トーナメントを制した堀川未来夢もマネジメント力は長けており、連覇の可能性は十分だ。

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■3人に共通する“スキル”

片山は2003、05、06、16年と4度の優勝を経験。2003年にはトーナメントレコードとなる通算23アンダーを記録し、2位に9打差をつける圧勝だった。また通算30勝目となった2016年は、淡々と自分のプレーに徹して逆転。最終18番パー5では、2打差で追っていた小林伸太郎が2オンに成功しイーグルチャンスにつけたにも関わらず、安全にフェアウェイに刻み3オンに成功。しっかりとパーで上がり優勝を決めた。

2010年と15年に優勝したキムも、やるべきことを徹底する力に長けている。2015年の優勝時は、4日目にショットが乱れスコアを崩しかけたが、絶好調だったパットを信じ、グリーンを確実に捉えることに専念した。その結果、前半はノーバーディ、1ボギーと苦しんだものの、後半1ホール目の10番で12メートルほどのバーディパットを沈めて完全にリズムを取り戻すことに成功。12番、16番でもバーディを決め、終わってみれば初日から首位を譲らない完全優勝を成し遂げた。

昨年の堀川も、プランに徹したプレーでABCゴルフ倶楽部を攻略した。

2021年の時よりもドライバーを持つ回数を半分ほどに減らし、かわりに得意のスプーンでスティンガーショットを多用。4日間のドライビングディスタンスは250ヤード(61位)であったが、フェアウェイキープ率は2位タイの64.286%を記録した。またティーショットの安定性を求めた結果、パーオン率も向上。4日間で3位タイとなる80.556%という高精度のショットをみせた。

しかし攻めるべきところは攻めるというマネジメントも徹底しており、4日目の最終18番パー5では、2打リードしている状況でありながら7wで2オンを狙い、見事にバーディを奪取。これも作戦通りの攻め方だったようだ。

複数回優勝を経験した片山とキム、そして昨年優勝した堀川の3人は、パワーや積極性ではなく、自分の武器を生かす緻密に練られたコースマネジメント、それを徹底することで本トーナメントを制していたことがわかる。

これが彼らに共通する“スキル”だ。

特に堀川は自身のyoutubeでコースの攻略法を配信していることもあり、マネジメント力は男子プロのなかでも抜けているだろう。

今季まだ優勝はないが、昨年の成績や2週間前のZOZOチャンピオンシップで見せたプレーを考えれば、ここで1勝を挙げてもおかしくはない。男子ゴルフ界きってのクレバーさで連覇に挑む。

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(G.Tsukamoto/SPREAD編集部)

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