全障スポかごしま大会最終日 長崎県勢躍動 金16、メダル43獲得 真剣勝負にたくさんの笑顔

【陸上知的男女共通400メートルリレー】長崎の第3走者西山(南高愛隣会キャリアポートほんまち)からアンカー臼木(十八親和銀行)にバトンパス=鹿児島市、白波スタジアム

 特別全国障害者スポーツ大会「燃ゆる感動かごしま大会」(全障スポ)最終日は30日、鹿児島市の白波スタジアムなどで4競技と閉会式が行われ、長崎県勢は陸上知的男女共通400メートルリレー(区分27)チームが47秒09の好記録でV2を達成した。アンカーの臼木大悟(十八親和銀行)は知的少年男子100、200メートル(区分27)と合わせて2年連続3冠に輝いた。
 この結果、長崎県勢は今大会、金16、銀10、銅17の計43個のメダルを獲得。昨年の29個(金6、銀12、銅11)を大きく上回った。
 高円宮妃久子さまをお迎えした閉会式には、47都道府県と20政令指定都市の選手団が参加。大会旗が次回開催地の佐賀県に引き継がれ、14の正式競技で真剣勝負を繰り広げた「障害者の国体」が閉幕した。
 閉会式終了後は例年同様、開催地の選手団が退場ゲートに花道をつくって全選手団を見送った。「みんなと会えて本当に良かった」「来年もまた試合がしたいね」-。時間を惜しむように最後の交流をしながら、たくさんの笑顔で大会を締めくくった。
 来年の第23回全障スポは10月26~28日、佐賀県内各地で行われる。

◎4人の力 結集/知的男女共通400リレー 2年連続金メダル/臼木(十八親和銀行)は2年連続3冠

 長崎県勢が昨年を大きく上回る16個の金メダルを手にした今大会。最終種目も優勝で締めくくった。陸上知的男女共通400メートルリレー(区分27)でV2を達成。高校生と社会人が息を合わせ、昨年より0秒36速い47秒09でゴールした。
 メンバー4人中、女子1人以上の起用が条件の種目。長崎は第1走者を女子の木村(虹の原特支)に任せた。残る男子3人は昨年の優勝メンバーで、今回も100メートルでそれぞれ金、銀、金を手にしているトップランナー。対照的に木村は6位。「自分のせいで結果が良くなかったら…」。不安でいっぱいだったが、仲間たちからの「周りは気にしないで大丈夫」という声かけで自信を取り戻した。落ち着いてスタートを切れた。
 続く第2走者の大石(東洋水産)が「確実に成功させるように」と慎重にバトンを受け取ると、あとは追い上げるだけ。県選手団の主将も任された第3走者の西山(南高愛隣会キャリアポートほんまち)が内側レーンから他県を抜き去り、最後はアンカー臼木(十八親和銀行)が地元鹿児島をかわしてゴール。臼木は2年連続3冠に輝いた。
 日々の積み重ねのたまものだ。今年、社会人になった19歳の大石と臼木は、慣れない仕事に奮闘しながら、仕事が終わった後はグラウンドに直行。1時間でも、わずか30分でも練習を続けてきた。社会人2年目の西山は臼木とともに日本代表の一員として9月に400メートルリレーの知的障害者の日本記録を樹立。今大会は率先して荷物運びもするなど、随所でリーダーシップを発揮した。木村は大一番のプレッシャーに打ち勝ってみせた。
 4人の頑張り屋たちの力を結集してつかんだ金メダル。表彰式で並んだ笑顔は最高に輝いていた。

© 株式会社長崎新聞社