「入手難しい」悩みから... 長年、救助訓練の車を提供 宇都宮の亀田自動車工業、南消防署から感謝状

感謝状を受け取った亀田社長夫妻(前列)

 【宇都宮】南消防署は25日、救助隊員が訓練に使う車両などを長年にわたって無償提供し、隊員の技術向上に貢献したとして上横田町の亀田自動車工業に感謝状を贈った。

 同社は自動車整備などを手がけ、同署の消防車両の点検も担っている。救助隊員から「訓練に使う実車の入手が難しい」との悩みを打ち明けられたのをきっかけに、廃車にする乗用車を2012年から毎年2台提供。救助訓練の場として自社の敷地も開放し、訓練後の廃車処理に至るまで無償で協力している。

 稲見昌紀(いなみまさのり)署長が同社の亀田敏一(かめだとしかず)社長(52)と妻宏美(ひろみ)さん(52)に感謝状を手渡した。

 実車での訓練は、交通事故などで車内に取り残された人を救助する際に役立つといい、稲見署長は「ドアを切断したり、ガラスを割ったりする感触を訓練で経験しておける。毎年継続して訓練できる環境があることは大変ありがたい」と感謝した。

 亀田社長は「元の所有者にも、愛着があった車を解体前に社会の役に立てていることを伝えたい。今後も微力ながら続けていきたい」と話した。

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