波瑠が、テレビ朝日系で2024年新春に放送される松本清張ドラマスペシャル「ガラスの城」（日時未定）で主演を務め、木村佳乃と共演。松本清張の不朽の名作である社会派ミステリー「ガラスの城」（講談社文庫）が、舞台を大手商社に移した令和版としてスペシャルドラマ化される。
都心に颯爽とそびえ立つガラス張りの高層ビル。選りすぐりのエリートが集うこの“ガラスの城”にある大手商社の実態は、出世欲、名誉欲、支配欲など複雑に絡み合った欲望が渦巻く迷宮だった。国内有数の大手商社「實友商事」に勤めるエリート社員たちが静岡・修善寺で社員旅行に興じる中、部長が何者かに殺害される事件が発生。それをきっかけに、図らずもこれまで隠蔽され続けてきた社内の膿が露呈していく。
この事件に独自で捜査に乗り出すのが、波瑠が演じる主人公・的場郁子。地味で愛想がないが、仕事は早くて正確で、出世とは無縁の一般職の的場には、ある秘密があった。波瑠は「演じる上で面白さを感じる半面、初日の撮影が終わった直後は開口一番『難しい！』と口走っちゃいました（笑）」とその苦労を吐露。
今回が松本清張作品初挑戦とということで、「松本清張作品は時代を象徴した小説というイメージが強かった中、今回は時代を超えて新たな形で描くとお聞きして『すごく難しいお話になるんじゃないかな…私よりももっと適した方がいらっしゃるんじゃないか』と、最初はドギマギしました」と不安があったことも告白する。しかし、「これまで何作品もご一緒させていただいた大森美香さんが脚本を手掛けてくださると聞き、『じゃ、大丈夫です！』と（笑）」と、自身がヒロインを担った連続テレビ小説「あさが来た」（NHK）を描いた大森氏への信頼感をうかがわせた。
一方、木村佳乃が扮（ふん）するのは、総合職として入社し、仕事一辺倒で華やかなキャリアを積み上げてきた出世頭のバリキャリ課長・三上田鶴子。田鶴子が社員旅行先で部長の社内不倫現場を目撃した直後に、部長が殺される事件が発生し、田鶴子もまた独自に推理を始めるが、このことが想定外の事件を誘発する。自身の役柄について、木村は「表向きは仕事をバリバリやって生活も充実しているすごく強い女性ですが、実は“表には一切出せない自分だけの顔”もある。非常に複雑で、なんとも哀しい女性です。演じる上ではこの二面性をはっきり表現したいなと思っております」と印象を伝え、意気込みを表する。
テレビ朝日系でこれまでオンエアされた「夜光の階段」（2009年）、「球形の荒野」（2014年）、「霧の旗」（2014年）と清張作品への出演は4回目となる木村だが、「『夜光の階段』で初めて清張作品に出演させていただいた時も『ついに来た！』と大変うれしかったのですが、実は今回の『ガラスの城』は読んだことがなく…。初めて出合う作品ということも相まって、とても興奮いたしました」とオファーを受けた際の心境を振り返る。さらに「今回、脚本を手掛けられるのは、私が19歳くらいの頃からお世話になっている大森美香さん。私は大森さんの大ファンなのですが、そんな大森さんが初めて清張作品を手掛けられるという点でも、すごく楽しみにしておりました。原作とはまた違い、現代風に生まれ変わった『ガラスの城』を、三上田鶴子として忠実に表現したいなと思っております」と期待する。
波瑠と木村は「あさが来た」以来8年ぶりの共演。波瑠は「『あさが来た』では1日もないくらいの短時間、ご一緒させていただいたんですけど、当時は方言のあるセリフを覚えるのにいっぱいいっぱいで、あまりお話もできなくて…。だから、今回またご一緒できてうれしいです！」と喜び、木村も「今回は今まで見てきた波瑠さんとはガラッと雰囲気が変わっていて、まさに的場さんそのものでした！ 気軽には話しかけられないような、どこかミステリアスでつかみどころのない不思議な雰囲気をまとわれていて…。あれほど華のある方なのに、完全に存在を消していらっしゃって、すごいなと思いました」と称賛している。
