龍のように飛躍を 世界遺産・熊野本宮大社で干支の色紙づくり、和歌山

熊野本宮大社で制作が大詰めを迎えている来年のえとの色紙(和歌山県田辺市本宮町で)

 和歌山県田辺市本宮町の世界遺産・熊野本宮大社で、来年のえと「辰(たつ)」の色紙の制作が大詰めを迎えている。来年迎える「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年も祝す内容で、九鬼家隆宮司(67)が「龍のように飛躍を」との願いを込めて描いているという。

 色紙の制作は7月下旬からスタート。九鬼宮司手書きの色紙(24.2センチ×27.2センチ)は、本宮大社の旧社地大斎原(おおゆのはら)にそびえる大鳥居から現れて飛び立つ龍のほか、重要な年であるという意味も込めて「時」の文字を添えた。千枚制作し、基本的に、新春特別祈祷(きとう、初穂料5千円~)を申し込んだ人に授ける。

 印刷した色紙(18センチ×21センチ)には、熊野の神の使いである「八咫烏(やたがらす)」を乗せた龍を描き「導」という文字を入れた。2500枚を用意し、12月1日から1枚2千円で授与する。

 また、龍と「道」という文字を揮毫(きごう)したミニ色紙(13.5センチ四方)も用意。初穂料は一枚千円。いずれもフック・スタンドがついている。

 九鬼宮司は「龍は発展をもたらす神獣といわれている。長く続いたコロナ禍からようやく日常を取り戻して前に進み始めた皆さんの夢や思いが、実現に向かって大いに飛躍されることを願って龍を描き上げた」と話している。

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