【日本調剤】車両を活用したオンライン服薬指導などMaaS事業に参画/三重県大台町で

【2023.10.31日配信】日本調剤は10月31日、経済産業省「無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業(地域新MaaS創出推進事業)」の実証事業に参画すると公表した。

MRT株式会社(本社所在地:東京都渋谷区、以下「MRT」)などが主体となり、2023年10月27日から2024年1月末まで実施する「令和5年度 医療・行政MaaS」の実証実験において、昨年に引き続き日本調剤 松阪薬局(三重県松阪市)がオンライン服薬指導の分野で協力する。
同実証実験では、車両内での医療サービスと行政サービスの提供の他、公的施設の活用や薬剤の配送との連携による取り組みの有効性を検証。日本調剤 松阪薬局は実施期間のうち、11月2日から2024年1月末までの間、オンライン服薬指導実施薬局の一つとして事業に協力する。

「MaaS(マース/Mobility as a Service)」とは、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適な組み合わせで統合し、移動の利便性向上や地域の課題解決に貢献する仕組みのこと。

MRTなどが主体となり実施する同実証実験地域は、中山間地域のため利便性の高い公共交通手段が十分に供給されておらず、多くの住民は生活圏での移動を自家用車に大きく依存せざるを得ない状況にある。このような中、運転免許証を返納する高齢者が増加しており、通院や買い物など生活に不可欠な活動が制限されてしまう。このような中山間地域において、住民の健康と生活を支える利便性の高いモビリティサービスは必要不可欠となっている。

同実証実験では、「医療MaaSの省人化・効率化」及び「車両を活用した中山間地での地域拠点形成」による公共交通の負担軽減や地域の賑わい等に新たな効果を見出だせるかを検証。また、実装を見据え、さまざまな用途や需要に適した車両を選択する。

具体的には、「医療MaaSの省人化・効率化(医療MaaSのさらなる深化)」については、過年度の実証実験の評価等を踏まえ、三重県大台町や近隣地域(自治体)をフィールドに、小型乗用車の活用や機器の高度化、医師間連携の視点で検証する。また、「車両を活用した中山間地での地域拠点形成」については三重県度会町をフィールドに、中山間地近くの公共施設等を地域拠点とし、現状中心市街地まで走らせている公共交通機関の代替えとして、買い物、医療など生活に必要なサービスを集め、地域拠点までの移動をサポートすることで、地域の賑わいの創造と公共交通の再構築の可能性を検証する。

また、日本調剤 松阪薬局は、オンライン服薬指導実施薬局の一つとして協力。昨年の実証実験の評価等を踏まえ、医療MaaS対応スタッフの運用負荷を下げ、より円滑に進められるよう、診療所との相互連携を強化するほか、患者の了承のもと事前にオンライン服薬指導時の問診内容や服薬情報の確認等を診療所と行い、服薬指導の対応品質の向上も目指す。

MRTなどが主体となり実施する同実証実験では、これらの新たなモビリティサービスが地域住民の社会基盤(インフラ)としての役割を担うサービスになるよう、過疎化や高齢化などが進む地域の医療・生活・交通関連の地域課題の解決につながり、かつ持続可能な施策の社会実装を目指している。

実証実験概要は以下の通り。
・実施場所 :三重県大台町、三重県度会町、他
・協力医療機関:大台町報徳診療所、越智ファミリークリニック
・協力薬局:日本調剤 松阪薬局 ( https://www.nicho.co.jp/tenpo/matuzaka/
・実施内容:[医療]オンライン診療、オンライン服薬指導
[生活」地域拠点での買い物サービス、行政サービス等の提供
[交通]日常移動のサポート
・実施期間 :2023年10月27日~2024年1月末

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