【正倉院展】奈良県で今年も「美しい宝物」が見られるチャンス!ぱーぷる編集部おすすめ3点

【第75回 正倉院展】奈良県で今年も「美しい宝物」が見られるチャンス!ぱーぷる編集部おすすめ4点

「第75回 正倉院展」が2023年10月28日(土)~11月13日(月)の間、奈良県奈良市にある『奈良国立博物館 東新館・西新館』で行われる。

ぱーぷる編集部おすすめ4点をご紹介

●「楓蘇芳染螺鈿槽琵琶」

「楓蘇芳染螺鈿槽琵琶」(かえですおうぞめらでんのそうのびわ)。美しい蘇芳色に染められ、槽(背面)にはヤコウガイやアワビなどの貝殻を細かく切り出してはめ込んだ螺鈿の装飾が施されています。花や鳥、人物などが繊細に表現されており、奈良時代の螺鈿工芸の技術の高さを示すものとして注目されている四弦琵琶である。

●「紫檀小架」

紫檀小架(したんのしょうか)は奈良時代の正倉院に伝わる、紫檀で作られた小型の架け具だ。横長六角形で、床脚の付いた基台の上に鳥居形の柱を立て、その前後に上下各一対の象牙製の鉤形突起を取り付けている。

鳥居形の柱は精巧な彫刻で装飾されており、柱の両側には唐草文が彫られ、柱の上部には蓮華文の装飾があり細部まで丁寧に仕上げられた架け具である。

紫檀小架の用途は、仏像や経典などの貴重な品物を収納するために使われていたのではないかと考えられ、その精巧な作りと優美な姿は奈良時代の高度な工芸技術を物語っている。

●「碧地金銀絵箱」

碧地金銀絵箱(へきじきんぎんえのはこ)は檜材で作られた箱。明るい碧色の地に金泥と銀泥で花鳥文様を描いた、華やかな装飾が施されている。

箱の外面は明るい碧色の地に金泥と銀泥で花枝をくわえた鳥や蝶が描かれており、蘇芳色の縁に金色の小花文をあしらうことで華やかさと上品さを感じる。内張には、花や鳥を織り表した錦を用いている。

碧地金銀絵箱の底裏に「千手堂」の墨書銘があり、東大寺の千手堂の宝物であったことがわかる。千手堂は奈良時代の代表的な寺院建築であり、碧地金銀絵箱はその荘厳な堂内を彩る宝物の一つであったと考えられている。

●「平螺鈿背円鏡」

こちらの平螺鈿背円鏡(へいらでんはいきょう)、背面に螺鈿(らでん)で文様を施した円形の鏡。鏡面は銅に錫と鉛を混ぜた青銅合金でできており、背面は黒い樹脂の地にヤコウガイや琥珀、玳瑁などで花文様を表わし間地にはトルコ石やラピスラズリを砕いて散りばめられている。

平螺鈿背円鏡は唐(中国)製と推定され、当時の最高級の技術と装飾が施された鏡であり、その華麗な姿は奈良時代の国際交流と文化交流を物語っている。

正倉院展の見どころ

正倉院展の見どころは、奈良時代の日本美術の粋を集めた宝物を一堂に観覧できることだ。
また、正倉院宝物は奈良時代の社会や文化を理解する上で貴重な史料としても重要である。

奈良国立博物館 井上 洋一館長のメッセージ
「宝物の数は約9000件にも及び、今年は初出陳6件。さらに海外の方にも喜んでもらえるよう海外からオンラインでチケットを購入できるなど、世界の方々にも見てもらいたい。」

今年は開館時間が1時間前倒しの午前8時から開館となり、夕方からの入館にはレイト割チケットが販売。
宝物を観ることができる17日間。ぜひ繊細で華やかな宝物を感じてほしい。

「第75回 正倉院展」開催概要

【開催期間】
2023年10月28日(土)〜2023年11月13日(月)

【会場】
奈良国立博物館 東新館・西新館(奈良県奈良市登大路町50)

【開館時間】
8:00~18:00(金、土、日、祝日は20:00まで)
※入館は閉館の60分前まで

【休館日】
会期中無休

【観覧料金】
一般2000円、高大生 1500円、小中生 500円、キャンパスメンバーズ学生 400円
(レイト割)一般 1500円、高大生 1000円、小中生 無料
※レイト割は月~木曜日は16:00以降、金・土・日曜日、祝日は17:00以降の「日時指定券」に適用される

【アクセス】
近鉄奈良駅下車徒歩約15分 または JR奈良・近鉄奈良駅から市内循環バス外回り「氷室神社・国立博物館」下車すぐ

【問合わせ先】ハローダイヤル(050-5542-8600)

※観覧には原則、事前予約制の「日時指定券」の購入が必要(無料対象者を除く)。
奈良国立博物館観覧券売場での販売はありません。

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