海上自衛隊の部隊で昨年、女性隊員へのセクハラ行為があり、女性が会うことを拒否していたのに加害者の男性隊員から直接謝罪を受けさせていたことが31日、明らかになった。海自トップの酒井良海上幕僚長は31日の記者会見で女性に対し「職を辞さざるを得ないところまで追い込んでしまった。海上幕僚長として大変申し訳なく責任を感じている」と陳謝。自衛隊ではハラスメントが後を絶たない。深刻な人権侵害を繰り返す体質が改めて問われそうだ。
防衛省によると昨年8～12月ごろ、海自呉地方総監部管内にある部隊の男性隊員が女性隊員の背後から抱き付いたほか、性的な発言などをした。男性の階級は女性よりも上位だった。
当時は元陸上自衛官の五ノ井里奈さんが性被害を訴えたのを機に始まった特別防衛監察中だった。酒井氏は「防衛省としてハラスメント根絶に取り組む中、このような事案を起こし大変遺憾に思う」と述べた。
謝罪させたのは2人が所属する部隊のナンバー2で階級は1等海佐。
