先端技術の国外流出を防げ 県警セミナーに企業や大学担当者

経済安全保障への理解を深めたセミナー

 企業や大学、研究機関が持つ先端技術の国外流出を防ごうと、岡山県警主催のセミナーが31日、岡山市内で開かれた。重要情報の流出は経済安全保障上のリスクになりかねないとして、参加した県内企業や大学の関係者ら約200人に対策強化を呼びかけた。

 元経済産業省の官僚で明星大の細川昌彦教授が講演した。先端技術の流出や軍事転用を防ぐためには、どのようなリスクに直面しているかを知ることが重要と指摘。「技術が狙われるのは大手だけでなく、地方の中小企業も同じ。自分たちの技術は自ら守らなければならない」と話した。

 サイバー攻撃による技術流出を巡っては「100%防ぐのは不可能。情報の重要度に応じて保管するサーバーを分けたり、アクセスできる人間を制限したりしてダメージを最小限に抑えることが大切」とアドバイスした。

 セミナーは、政府の方針を踏まえて経済安全保障対策を強化する県事業の一環。企業に最新の情報を提供するなど県警の取り組み紹介もあった。

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