2019年の参院選大規模買収事件 広島市議ら4人に有罪判決

4年前の参院選を巡る買収事件で、現金を受け取ったとされる広島市議ら4人に有罪判決です。12人が公判に臨んだ一連の事件では、この4人で一審判決が出そろい、全員が有罪判決となりました。

■伊藤昭善 元広島市議

「検察のストーリーに従って、文章をつなぎ合わせただけ。」

判決を受けた広島市議などの4人。いずれも、4年前の参院選で河井克行元法相から現金を受け取ったとして起訴されています。4人は「現金の趣旨は陣中見舞い」などとして、無罪を主張していました。

31日、広島地裁は広島市議の木山徳和被告に罰金30万円と30万円の没収、元市議の谷口修被告に罰金40万円と追徴金50万円を言い渡しました。

そして、市議の三宅正明被告に罰金30万円と追徴金50万円。元市議の伊藤昭善被告に罰金30万円と追徴金50万円を命じました。

公判で、4人は検察の取り調べに違法な司法取引とされる「利益誘導」があったと主張。これに対して、広島地裁は「不起訴を期待させる発言があった」としたものの「約束ではなかった」などとして、違法性はないとしました。

■久保豊年弁護士

「これからも、東京地検特捜部は不起訴をちらつかせた取り調べをやるでしょう。これにブレーキをかけるのが裁判所の役目。免罪符を与えたのと一緒。」

4人は、控訴について回答を控えるとしています。

(宮脇キャスター)

一連の大規模買収事件では9人が在宅起訴され、略式命令を不服とした3人が正式な裁判を起こしました。そして、既に8人に有罪判決が下されています。

こちらはきょう、判決が言い渡された広島市議ら4人です。いずれも、罰金や追徴金などの有罪判決を言い渡されました。

続いてこちらは在宅起訴されたほかの5人です。全員が1審で有罪となり、控訴または上告しており、現在司法の判断を仰いでいる状態です。

そして、略式命令を不服として正式な裁判を求めた3人です。

元県議の2人は、既に罰金刑などの有罪判決が確定しています。

一方、先週判決を受けた木戸元市議は、控訴について検討中としています。

(森アナウンサー)

判決が確定すると、どうなりますか?

(宮脇キャスター)

有罪が確定すると、5年間の公民権停止となります。選挙に立候補できなくなる他、現職の議員であれば失職します。大半の被告は、今後も法廷に立つこととなります。

(2023年10月31日放送)

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