緊急の就職説明会も 世界遺産の島・宮島で働き手足りず

観光客が急増する世界遺産の島・宮島では、飲食店や旅館で働く人が不足しています。人材確保に奔走する宮島の老舗旅館を取材しました。

世界遺産の厳島神社がある宮島。

2023年9月に宮島を訪れた人の数は37万人にのぼり、9月としては過去2番目に多い来島者となりました。

これからピークををむかえる行楽シーズン。そこで問題なのが、宮島で働く人、人材の確保です。宮島で創業1世紀余りの老舗旅館の支配人・志熊さんに人材確保について聞きました。

■錦水館 志熊 聡 総支配人

「人が足りていないところがあるので、契約社員を手配して対応しています。」

連日満室状態が続く宮島の老舗旅館。午前11時のチェックアウト時間から午後2時のチェックインまでの3時間で、約40室ある客室の清掃からベッドメイキングまでを完了しなければなりません

■錦水館 志熊 聡 総支配人

「契約している派遣スタッフが帰ってしまうと、新しいスタッフを雇わなければならない。教える手間もかかってくるので、直接雇用がベスト。」

午前11時には料理店が開店。宮島の味を求める人で、客席は満席です。

■静岡からきた客

「はじめて(穴子めし)食べました。おいしいですよ。」

厨房は大忙し。熟練した調理人が、宮島名物・穴子めしやカキフライを手際よく調理します。

そして、接客するスタッフ、食器を洗うスタッフなど人手はいくらあっても足りません。

そこで、人材確保のため情報誌に取材を依頼し、仕事の魅力を紹介してもらうことにしました。

■宮島別荘 西谷 友美さん

「1人でというより、みんなで協力してお客様に楽しんでいただきたい。チームワークのパワーがある方に来てほしい。」

■錦水館 志熊 聡 総支配人

「新卒の方を育てること、いろんなスキルを持っている中途の方に入社していただいて(新卒が)育つまでの間、対応できるようにしなければならない。」

31日、宮島の観光業に特化した就職説明会が廿日市市で開かれました。

宿泊業や土産品の販売を手がける企業16社がブースを設けました。

説明会には午後3時までに178人が参加し、勤務条件などの説明を受けていました。

■参加者女性

「人が多くておどろいた。3社ぐらい(説明を)聞いた。帰ってからまた

検討したい。」

老舗旅館の支配人、志熊さんも人材を求めて参加しました。

■錦水館 志熊 聡 総支配人

「みなさんが働きたい時間帯がある程度集中してくるので、働く場所をはめこめないので頭を痛めながら対応しています。」

観光地、宮島の人手不足の解消の取り組みはこれからも続きます。

(2023年10月31日放送)

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