パラスキーのレジェンド新田佳浩選手「1日1日を大切に」 川崎の中学校で講演

中学生に向け、パラリンピックでの経験などを伝える新田選手=川崎市多摩区の市立枡形中

 クロスカントリースキーで1998年の長野大会から2022年の北京大会まで7大会連続でパラリンピックに出場した新田佳浩選手(43)=日立ソリューションズ=が31日、川崎市多摩区の市立枡形中学校(大津裕一校長)で講演し、「どこで出合いがあるか分からない。1日1日を大切にしてほしい」と呼びかけた。

 岡山県出身の新田選手は幼少時に祖父の運転する農業用の機械に巻き込まれる事故で、左腕の肘から先を失った。

 小学3年からクロスカントリースキーを始め、2010年のバンクーバー大会では2種目で金メダルに輝いた。18年の平昌大会ではクラシカルで金、スプリントで銀メダルを獲得。「レジェンド」とも称されている。

 この日は、1、2年生計約250人に向け、「自分自身の可能性を広げるために」と題して、発想を変える柔軟な考え方や、違いを尊重する多様性の大切さを伝えた。メダルなしに終わった北京大会での戦いぶりを紹介した際には「失敗することで成功に近づいていると考えた」と述べた。

 講演の終盤には、生徒たちがメダルに触れる機会もあり、2年生で生徒会長の青柳咲結さん(14)は「自分の可能性を狭めてしまわないように、プラスに考えて成長したい」と話した。

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