柿沢氏出欠巡り2時間中断 法務省「独断」を首相陳謝

 参院予算委員会は31日、東京都江東区長側の公選法違反事件を巡り、法務副大臣を辞任した柿沢未途氏が野党の出席要求に応じなかったため、2時間弱にわたり審議が中断した。開会に先立つ午前の理事会で与野党はいったん柿沢氏出席に合意したが、法務省は「既に辞表を提出した」として独断で拒否。首相は「国会の権威を損なう重大行為。二度とあってはならない」と法務省の対応を陳謝した。

 法務省によると、柿沢氏は31日午前9時半ごろに辞表を提出、午後1時ごろに政府が持ち回り閣議で受理した。柿沢氏は予算委を欠席した。質問を予定していた立憲民主党の杉尾秀哉参院議員は午後の予算委で「法務省が勝手に欠席の判断を決め、質問権を奪われた。憲法違反だ」と批判した。

 末松信介参院予算委員長は「勝手な判断を法務省が行い、予算委の運営を妨げ、権威をおとしめた。強く注意を促す」と法務官僚を非難。小泉龍司法相も「越権行為で不適切であり、厳しく指導する」と答弁した。

 与野党の断続的な協議を経て、審議は午後1時の定刻から遅れ、午後2時45分に再開した。

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