叫び声、診察室に血だまり 盾にヘルメット、厳重警戒

男が立てこもっている蕨郵便局周辺で警戒する消防隊員ら=31日午後5時52分、埼玉県蕨市

 拳銃のような発砲音に続いて、「誰か来てくれ」という叫び声が響いた。31日午後、埼玉県戸田市の戸田中央総合病院で男性2人が負傷した事件。病院にいた利用者は「診察室に血だまりができていた」と振り返った。男が立てこもった同県蕨市の蕨郵便局周辺では交通規制が敷かれ、盾やヘルメットを装備した警察官が厳重に警戒した。

 病院の待合室にいた50代男性は「急に職員が大騒ぎを始めた」と振り返る。白衣を着た男性がストレッチャーで運ばれていく姿も目撃。頭部からは血が流れていた。

 男性は「あと数分ずれていれば、自分も居合わせていたかもしれない。怖い」と声を震わせた。

 心療内科の受付にいた60代男性は、叫び声の後、診察室をのぞいた。血だまりが見えた。看護師の「窓から離れて、頭を下げて」との指示に従い、40~50人ほどと共に1時間ほど、待合室に身を寄せた。

 郵便局周辺では警察官が、通りかかった人に「建物(郵便局)から見える位置にいないで! 撃たれるぞ!」と強い口調で指示した。

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