『抜け毛が多い犬種』5選 換毛期の恐ろしい毛量に「毎年大変なことになります」「そんなところも愛おしい」

犬の換毛期の抜け毛の量の違い

犬種によって抜け毛の量に違いがあるのですが、それはなぜなのでしょうか。

それはその犬の被毛が「シングルコート(上毛のみ)」か、「ダブルコート(上毛と下毛の2層)」か、という違いによります。

被毛が長く伸び続けるシングルコートは、抜け毛が少ないのが特徴です。それに対しダブルコートの犬の場合は、換毛期のたびに下毛が生え変わるため、必然的に抜け毛が多くなります。次の季節を快適に過ごすための「犬の衣替え」のようなものです。

毎年秋には、これからくる冬の寒さに備えてふわふわな保湿性の高い被毛になり、春には夏の暑さに備えて通気性の高い被毛に生え変わります。

なお、一般的に「抜け毛が多い犬種」とは、ダブルコートの犬種を指すことが多いです。

「抜け毛が多い犬種」とは

ではここからは、具体的に「抜け毛が多い犬種」を見ていきましょう。意外な犬種も入っているかもしれませんよ。

柴犬

柴犬の抜け毛の多さは見知っている人も多いかもしれません。SNSでもよく取り上げられていますね。

四季に順応している日本犬は1年を通して毛が抜けやすく、特に春先には綿毛のようなふわふわした毛が大量に抜け、夏になると驚くほどスリムに見えます。

ポメラニアン

ポメラニアンの祖先は寒冷地原産のサモエドです。そのため、寒さから身を守るように保湿性の高い下毛が短く密集して生えています。

春の換毛期にはこの下毛が大量に抜け落ち、暑い夏を快適に過ごせるようになります。

ゴールデンレトリバー

ゴールデンレトリバーは、大型犬でなおかつ長毛種なので、毛の存在感が強く体の表面積も広く、抜け毛が多いのもうなずけます。

柔らかく長い毛質なので、換毛期には毎日ブラッシングをしないと絡まってしまうことも。

同じレトリバー種であるラブラドールレトリバーも、抜け毛が多い犬種といえます。

ウェルシュ・コーギー・ペンブローク

短い足がかわいらしいコーギーですが、ダブルコートの犬種であり毛量も多いので、換毛期には大量に毛が抜けます。

牧羊犬であるコーギーは活発で運動好きな子が多いのが特徴であり、家で走り回るとあたりが毛だらけになってしまうので、毎日のブラッシングは必須です。

ビーグル

スヌーピーのモデル犬でも知られるビーグルですが、実は抜け毛の多い犬種です。

ツヤのある短い被毛はお手入れが楽チンに思えますが、密集した被毛はダブルコートなので抜け毛は多いのです。短毛なのでカーペットや服にささってしまうこともあるので注意が必要です。

愛犬の換毛期に有効な抜け毛対策

愛犬の抜け毛に苦戦している飼い主さんも多いと思います。しかし、換毛期は犬にとっては体温調節をしたり、夏や冬を快適に過ごすためにとても大切なことです。

そこでこちらでは、飼い主さんに行ってほしい有効な抜け毛対策をいくつかご紹介します。

  • 小まめにブラッシングをする
  • 定期的にシャンプーをする
  • 洋服を着せる
  • コロコロをする

やはり一番有効なのは小まめなブラッシングです。皮膚の新陳代謝を促し被毛もキレイに保てます。ブラッシングは換毛期以外にも習慣づけると良いですね。毛穴に汚れがたまっていると抜け毛の一因になるので、定期的なシャンプーもおすすめです。

抜け毛対策として洋服も有効です。寒がりな犬や体温調節が苦手なシニア犬には特に着せてあげたいですね。コロコロは掃除に使うだけではなく、マッサージも兼ねてブラッシングの仕上げにしてあげると喜ぶ犬も多いと思います。

まとめ

ダブルコートや寒冷地原産の犬種は抜け毛が多いので、お手入れを大変に感じる飼い主さんも多いでしょう。わが家にも柴犬がいるのでよく分かります。

しかし、大切な愛犬ならそんな抜け毛さえも大好き!という飼い主さんも多いはず。とはいえ、お手入れを怠ってしまうとアレルギーや皮膚病のリスクも生まれます。

愛犬の健康管理のためにも抜け毛対策をしっかり行い、上手に付き合っていきましょう。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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