1等米、最低の43.6% 県産コシヒカリ、9月末時点

  ●富富富95.1% JA担当者「酷暑影響大」 

 北陸農政局が31日発表した2023年産米穀検査結果で、富山県産米の約7割を占めるコシヒカリの1等米比率が43.6%となり、農林水産省がデータを公表している09年度以降で最低となった。JA担当者は「酷暑の影響が大きく忸怩(じくじ)たる思いだ」と肩を落とした。一方で暑さに強い特性がある富山米新品種「富富富(ふふふ)」は95.1%と高水準で、明暗が分かれた。

 コシヒカリ5万4313トンを検査し、2等米の比率は47.9%、3等米は8.4%、規格外は0.1%だった。同局によると9月末時点で、全体の約3分の2の検査を終えており、最終結果に近い数値になるという。

 県産の水稲うるち米全体では7万8189トンを検査し、1等米比率は56.8%だった。JA県中央会の延野源正会長は、昨年度の最終結果は88.0%だったとし「これほどの落差になるとは衝撃だ」と話した。

 早生(わせ)品種「てんたかく」の1等米比率は88.8%、晩生(おくて)品種「てんこもり」は85.4%だった。

  ●石川、福井70%台 平年との気温差が一因か

 北陸農政局管内では、富山のほか、新潟でもコシヒカリの1等米比率が3.6%と低水準だった一方、石川では73.2%、福井で78.5%だった。同局の担当者は差が開いた理由について、「8月の平均気温の平年との差が、富山、新潟は石川、福井より大きかったのが一因」との見方を示した。水の管理や田植えの時期、肥料の使い方なども検証する必要があるとした。

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