エヴァ聖地に刺さる7mのやり 山口・宇部、地元企業若手が再現

エヴァンゲリオンに登場する「ロンギヌスのやり」のレプリカと、製作した地元企業の若手社員ら=10月、山口県宇部市

 瀬戸内海に面して工場群が広がる工業都市・山口県宇部市の公園に、人気アニメ「エヴァンゲリオン」シリーズに登場する「ロンギヌスのやり」が物語の一場面さながらに突き刺さっている。同市はシリーズの監督を務めた庵野秀明さんの出身地で、地元企業の若手社員らが全長7メートル超のレプリカを製作した。市は劇場版の舞台モデルにもなり、ファンの聖地として知られる。

 やりを製造したのは宇部市に多数の工場を構える総合化学メーカーUBEのグループ会社「宇部スチール」。昨年7月、若手社員が社内会議でやりの製造を提案、約40人が携わって鉄スクラップなどの廃材から、重さ約1.2トンのやりを鋳造した。エヴァの版権管理元ともやりとりを重ね、特徴的なやりのらせん構造を再現した。

 10月のオープニングセレモニーで宇部スチールの山根久雄社長は「まさか実現するとは思わなかった」と振り返り、「らせん部分をまっすぐ造るために高度な鋳造技術を詰め込んだ。実際に触って鉄の質感を楽しんで」と話した。

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