例年にない充実具合!堪能したい11月の公開映画5選|2023年

クリスマス&年末年始の興行シーズンを控え、薄商いになることもある11月の映画。嬉しいことに今年は話題作・大作が毎週のように公開されそうです。特に11月3日公開予定の『ゴジラ-1.0(ゴジラマイナスワン)』は、シリーズ70周年記念作品であり、『シン・ゴジラ』以来となる邦画実写ゴジラの最新作となります。

気になる国内外の業界動向ですが、ハリウッドでは脚本家組合のストライキは協議妥結に至ったものの俳優組合のストはまだ続いており、プロモーション活動などに支障が出ています。国内では旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP(スマイルアップ))の問題も道半ばといったところでしょうか。作品公開にストップが掛かることはないようですが、今後は果たしてどうなるのか、引き続き注視していきたいと思います。

11月も、M&A Onlineおすすめの新作映画ベスト5作品を公開日順にご紹介します。

2023年11月3日公開『ゴジラ-1.0(ゴジラマイナスワン)』

日本が生んだ怪獣特撮映画の金字塔ゴジラの生誕70周年記念作品であり、邦画実写版ゴジラとしては通算30作目となるメモリアルな一本。『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズをはじめ、『永遠の0』など大ヒット作を手掛けてきた山崎貴監督が監督・脚本・VFX を担当しました。終戦直後、何もなくなりゼロになった日本にゴジラが襲来、日本を負(マイナス)に叩き落とします。メインキャストに朝ドラコンビの神木隆之介と浜辺美波がキャスティングされました。

© 2023 TOHO CO.,LTD.

2023年製作/125分/日本

映画『ゴジラ-1.0』公式サイト (toho.co.jp)

11月3日公開『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』

非常に長いタイトルの作品ですが、略称は”つんドル”。女性アイドルグループSDN48の元メンバーだった大木亜希子が自身の体験に基づいて執筆した同名小説を映画化。

元アイドルの安希子はセカンドキャリアに進み「自分は幸せで充実している」と自分に言い聞かせて過ごしてきました。しかしある日、出勤の途中で足が動かなくなりメンタルを病み、“仕事なし”、“男なし”、“所持金10万円”という厳しい現実を突き付けられます。そんな安希子が選んだのは、中年男性”ササポン”との共同生活でした。

主人公には実際に乃木坂46でセンターを務めたことのある深川麻衣。”ササポン”を演じるのは井浦新です。

(C)2023映画「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」製作委員会

2023年製作/114分/日本

映画『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』|11月3日(金)公開 (tsundoru-movie.jp)

11月10日公開『マーベルズ』

大ヒットが続くMCU(=マーベル・シネマティック・ユニバース)の『キャプテン・マーベル』(2019)続編にあたる最新作。人類を守るために戦う最強ヒーローズの物語としてアメコミの「マーベル・コミック」を原作とした実写映画の作品群をMCUと呼んでいますが、MCU通算33作目となる本作では、ブリー・ラーソンやサミュエル・L・ジャクションらに加えてドラマシリーズ「ワンダヴィジョン」のテヨナ・パリス、「ミズ・マーベル」のイマン・ヴェラーニも参加。超人的な力を持った3人が揃い踏みとなります。

映画だけでなくドラマシリーズにも濃密に本筋に絡み始めているため、どちらも見続けていきたいシリーズでもあります。ちなみにMCU初心者の方は、『アイアンマン』(2008)から劇場公開日順に追っかけすることをおすすめします。

© Marvel Studios 2023

2023年製作/105分/アメリカ

マーベルズ(The Marvels)|映画|マーベル公式 (disney.co.jp)

11月10日配信開始『ザ・キラー』

『セブン』、『ファイト・クラブ』、『ソーシャル・ネット・ワーク』のデヴィッド・フィンチャー監督の最新作。前作の『Mank/マンク』に続き、Netflix(ネットフリックス)と組んで新作を発表しました。

同名のグラフィックノベルを原作に脚本は『セブン』のアンドリュー・ケヴィン・ウォーカーが担当、撮影や音楽も過去にフィンチャーと組んだことのある面々が揃いました。主人公の岐路に立たされた暗殺者をマイケル・ファスベンダーが演じ、共演にはアカデミー賞俳優ティルダ・スウィントンが名を連ねています。
今年の第80回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門出品作品です。

ネットフリックスの配信は11月10日からとなりますが、先行してイオンシネマなど一部で劇場公開も始まっています。

Ⓒ NETFLIX

Netflix『ザ・キラー』 (cinema-lineup.com)

2023年製作/113分/アメリカ

11月23日公開『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』

魔夜峰央の同題ギャグマンガを原作にして、過剰なまでの埼玉自虐ネタを盛り込み、まさかの興行収入37.6億円という大ヒットを記録した映画がよもやの続編を制作。GACKT、二階堂ふみに加えて今作は、片岡愛之助、杏、藤原紀香が登場します。

埼玉に海を作るために和歌山・南紀白浜の砂浜を求めて関西に渡った面々は、関西でも大阪・京都・神戸とそれ以外の県との間で格差があることを知り、滋賀解放戦線と新たな闘いに挑むことになります。今作で地方自虐ギャグが関西地方にまで拡がりました。

© 2023 映画「翔んで埼玉」製作委員会

2023年製作/116分/日本

映画『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』公式サイト (tondesaitama.com)

これらの映画のほかにも、品川ヒロシが監督・脚本務めた人気コミックの映画化作品『OUT』、稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗が揃った朝井リョウ原作の映画化『正欲』、世界的に評価の高い塚本晋也監督最新作で朝ドラの現ヒロイン趣里主演の『ほかげ』、荒井晴彦監督が芥川賞受賞作品を映画化した『花腐し』、北野武監督待望の新作『首』など、クセのある邦画が揃っています。

アニメーションは、子ども向けアニメ『映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ』、手塚治虫のSF漫画「火の鳥 望郷編」を映像化した『火の鳥 エデンの花』、お仕事アニメの『駒田蒸留所へようこそ』、目玉おやじの過去と鬼太郎誕生を描いた『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』、ポールダンスを題材としたオリジナルアニメ『劇場版 ポールプリンセス!!』など大豊作となりました。

文:村松健太郎(映画文筆屋)

村松 健太郎

映画文筆屋。

2002年から映画館勤務で業界入り。2016年頃から映画文筆家として活動を開始。脳梗塞を患ったために杖片手に試写室や映画会社を行ったり来たりしています。映画祭の審査員やインディーズ映画の宣伝などもしていますが、興行出身ということもあって、少しでも多くの人の足が劇場に向かってほしいと願う日々です。年間300本の新作とそれ以上の過去関連作を見て回っています。

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