ついにMCU進出! パク・ソジュンの超シリアス演技が堪能できるマ・ドンソク共演作『悪のクロニクル』を今こそ観たい

『悪のクロニクル』©2015 CJ E&M CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED

日本のみならず世界を席巻したNetflix韓国ドラマ『梨泰院クラス』から3年、主演パク・ソジュンはハリウッド進出を果たし、MCU最新作『マーベルズ』(11月11日公開)に“ヤン王子”役で出演。韓国の俳優がMCU作品に出演するのはスヒョン、マ・ドンソクに続き3人目となる。

パク・ソジュンといえば直ぐに『梨泰院クラス』のパク・セロイを想起するほどインパクトが強い作品だったが、2024年にはイ・ビョンホンらと共演する大作ディザスターパニック『コンクリート・ユートピア』(1月5日公開)も控えている。今後の活躍がますます期待されるパク・ソジュンだけに、今のうちに過去作もチェックしておきたいところだ。

ということで紹介したいのが、『梨泰院クラス』以前にシリアス演技派俳優としての片鱗を見せた傑作サスペンス『悪のクロニクル』(2015年)。本作は、CS映画専門チャンネル ムービープラス「今月の韓国映画」で11月に放送される。

底知れぬ罠に巻き込まれていく昇進間近のベテラン刑事

――名誉ある大統領賞を授与され、昇進を控える敏腕刑事のチェ。その祝宴の帰り道、乗車したタクシーの運転手に襲われた彼は、乱闘の末に誤って運転手を殺害、昇進への影響を恐れ証拠を隠蔽する。翌日、警察署前の工事現場でクレーンに吊るされた遺体が見つかり、チェはその事件の捜査を担当することになるが……。

のちに『梨泰院クラス』で再会することになるベテラン俳優ソン・ヒョンジュと、MCUの先輩でもあるマ・ドンソクと堂々共演した本作。パク・ソジュンが演じるのは、尊敬していたチェ刑事に対して次第に疑念を抱くようになる新米刑事チャ・ドンジェで、マ・ドンソク演じる先輩のオ刑事と共に奇妙な殺人事件の捜査にあたる。いつ犯行がバレやしないかと終始キョドりまくりのチェ刑事(ソン・ヒョンジュ)の目が、なんかもう、とにかくすごい。

パク・ソジュン×マ・ドンソクに眼福

本作は『新感染 ファイナル・エクスプレス』の前年公開ということで、マ・ドンソクの筋肉量も現在よりだいぶり控えめ。パク・ソジュンは映画デビュー作『パーフェクトゲーム』(2011年)でマ・ドンソクと共演済みだが、本作では本格ブレイク前の両者によるくんずほぐれつが堪能できる。そんなメインキャストたちの熱演はもちろん、意外すぎる展開にラスト30分は息をするのも忘れるほどだ。

ミステリー仕立てのクライムサスペンスであり、警察組織の腐敗や格差社会、冤罪による怨嗟など他人ごとではない諸問題も盛り込んでいる骨太な本作。パク・ソジュン予習のつもりで観ても、その完成度の高さにスタンディングオベーション必至の傑作である。

『悪のクロニクル』はCS映画専門チャンネル ムービープラス「今月の韓国映画」で2023年11月放送

『マーベルズ』は2023年11月10日(金)より全国公開

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