公立と民間、同じ敷地に新病院 山形で全国初、機能分担し連携

同じ敷地内に立つ山形県米沢市立病院(左)と民間の三友堂病院=山形県米沢市

 山形県米沢市立病院の敷地内に、同病院と、民間の三友堂病院の新病院が1日、同時に開院した。渡り廊下でつながり、医療機能を分担する。市によると、同じ敷地内に公立と民間の病院が建ち、連携するのは全国初という。

 経営や建設費用負担はそれぞれが行う。医療機器や設備の共有により経費削減につなげる狙いがある。患者の医療情報の一元的な管理や、医療従事者の人材交流も進める。人口減少と医師不足が深刻化する中、地域医療維持の新たな選択肢として注目が集まる。

 米沢市では特に救急医療の維持が課題だった。市立病院(263床)が夜間休日を含めた救急対応や重症患者の受け入れを担い、三友堂病院(199床)が退院後のリハビリや地域包括ケアなどを担当。市立病院で状態が安定した患者が、ベッドに寝たまま、廊下を渡って三友堂病院に転院できるようになる。

 両病院は別々に建て替えを計画していたが、2017年に連携の方針を表明。医療機関再編を支援する厚生労働省の重点支援区域に選ばれ、準備を進めてきた。

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