放課後活動見守り10年 矢板・乙畑ひまわりスクール 住民主体で運営、児童増に貢献も

児童から花束を受け取る市村会長(中央右)

 【矢板】地域住民有志で運営する乙畑小の放課後子ども教室「乙畑ひまわりスクール」が発足して10年目となった。「地域の子は地域で守る」をモットーに、ボランティアのスタッフがローテーションを組み、子どもたちの成長を見守ってきた。29日は同校校庭で開設10年記念式典が行われ、住民、来賓ら144人が祝った。

 スクールは2014年4月、参加児童13人、スタッフ37人でスタートした。同校に学童保育館などはないため、校舎内のランチルームを活用した。学区内の東乙畑区長だった市村謙作(いちむらけんさく)実行委員会長(75)が12年度の同校卒業生が2人だけだったことに危機感を抱き、住民に働きかけて開設した。

 市内の放課後子ども教室で、住民主体で毎日運営されるのは同スクールが唯一。60~70代中心のスタッフ49人が毎日3人ずつ、市指導員1人と共に1~4年生55人を見守っている。当初は1~6年生対象だったが、希望児童が許容数を超えたため、4年生までとなった。夏休みなど長期休暇も対応し、竹とんぼ作り、座禅体験などの行事を行っている。

 13年度57人だった同校児童数は本年度102人に増えた。要因として市教委生涯学習課は「学区の線引きの厳格化のほか、同スクールの存在が一因にあるだろう」と推測する。

 29日の記念式典で、市村会長は「手探りで始めたが、続けてきて良かった。すべて皆さんのおかげ。子どもたちの成長を見守ることは喜びであり、誇り。今後もスタッフと共に見守りたい」と思いを込めた。斎藤淳一郎(さいとうじゅんいちろう)市長は「子どもたちが放課後安心して過ごし、さまざまな活動ができる拠点として重要な役割を担ってきた。貴重な機会であり、宝になる」とたたえた。

 続いて、児童たちが感謝の言葉を述べ、全スタッフらに花束を贈った。

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