西村優菜は最終戦進出へたくましく「6時間だったら近い」

マレーシア帰りの西村優菜。多くの出場選手が悲鳴を上げていた猛暑にも平気だったとか(撮影/亀山泰宏)

◇日米女子ツアー共催◇TOTOジャパンクラシック 事前(1日)◇太平洋クラブ美野里コース(茨城県)◇6598yd(パー72)

高温多湿で知られる前週マレーシアの気候も、暑さが大得意の西村優菜には問題なかったという。元気に4日間を戦い抜き、クアラルンプールから日本への直行便はフライト時間にして6時間55分。10月30日(月)の朝に帰国した当日、ウェッジとパターだけを持ってアウト9ホールを歩いた。火曜は18ホールを回り、開幕前日は午前7時30分のトップスタートでプロアマを9ホールこなして調整を締めくくった。

「時差が(1時間しか)なかったので、意外と平気でした。慣れちゃったんですかね。移動距離も6時間とかだったら『近いなー』って思っちゃう」と笑う。出場優先順位の低い立場から積み重ねた今季の米ツアー22試合は、過酷な移動をいとわずに戦ってきた足跡でもある。タフな1年で確実にたくましくなった。

9月の国内ツアー「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」で得たショット復調のヒントを足掛かりとして上位に絡む試合を増やしたシーズン終盤。「日本のキャディさんに久々に自分のスイングを見てもらって、『感じたことがあったら伝えてください』とお願いしていた。違う人からアドバイスをもらって、ハッと気付けることもある。日本に帰ってきた意味もあった」。そのきっかけとなったスポット出場も8連戦目だったが、その後の好成績で報われる。

持ち前のショット力を取り戻して上位に絡む試合も増えた(撮影/亀山泰宏)

年間タイトルや来季シードを争うCMEグローブポイントは現在51位の586.384pt。これは昨年実績で、ランク上位60人(実際は63位まで出場)による最終戦の結果分も加算した60位ステーシー・ルイスの572.226ptを上回る。シードは手中に収め、シーズン最後のエリートフィールド入りに前進しても「まだ全然緩められないというか、信じ切れていない感じがあって。去年なら行けても、今年どこで線を引かれるか分からない。少しでも上に、という気持ち」と貪欲に話す。

当地では日本ツアー単独開催だった2020年以来のプレー。「あんまり覚えていなくて…」と首をひねりながら、「(畑岡)奈紗さんと一緒に回ったのは覚えています。すごいなー、うまいなーって」。米ツアーメンバーとして帰ってきた舞台で、今度は主役を張りたい。(茨城県小美玉市/亀山泰宏)

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