寺岡製作所<4987>、MBOで株式を非公開化

寺岡製作所はMBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した。創業家出身で現会長の寺岡敬之郎氏が設立したKMM(東京都千代田区)がTOB(株式公開買い付け)を行う。買付代金は最大135億1500万円。資源価格の高騰や急激な円安などを背景に主力事業の包装・梱包用テープや電機・電子用テープをめぐる市場環境が厳しさを増す中、既存事業の立て直しや車載電池関連など新分野への展開を進めるには、非公開化によって各種施策を迅速に実行する体制が必要と判断した。寺岡製作所はTOBに賛同している。

KMMによる寺岡製作所株の買付価格は1株につき564円。TOB公表前営業日の10月27日の終値359円に57.10%のプレミアムを加えた。筆頭株主の伊藤忠商事は保有する全株式26.34%についてTOBに応募する予定。

買付予定数は2396万3133株。下限は所有割合61.26%にあたる1551万9300株。買付期間は10月31日~12月13日。決済の開始日は12月20日。公開買付代理人は三菱UFJモルガン・スタンレー証券(復代理人はauカブコム証券)。

寺岡製作所の2023年3月期業績は売上高14.2%減の193億円、営業赤字16億9000万円(前期は1億3400万円の黒字)、最終赤字36億700万円(同1億6200万円の黒字)。インドネシア子会社の大規模な減損処理が直撃し、大幅赤字に転落した。

寺岡製作所は1921年に創業者寺岡璋浩氏が電気絶縁用プラスチックテープなどの製造・販売を目的に設立。現在は包装・梱包用テープを主力に、電気・電子用テープや産業用テープを手がける。1977年に株式を店頭登録し、1987年に東証2部に上場(2022年4月に東証スタンダード市場に移行)。

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