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志賀町発注の配水管工事の入札を巡る贈収賄事件で、志賀町長の小泉勝容疑者(57)=同町町(まち)=に賄賂を渡した疑いが持たれている青谷工業(同町徳田)が、最低制限価格の予測に用いる積算ソフトを所有していなかったことが1日、関係者への取材で分かった。同社は過去2年で落札した町発注工事3件のうち、逮捕容疑の工事は最低制限価格通り、他の2件もほぼ同額で落札していた。工事価格の積算をしなくても最低制限価格を把握していた可能性があり、県警が経緯を調べている。
贈賄などの容疑で逮捕されたのは青谷工業代表取締役の青谷武容疑者(83)=志賀町徳田=と妻で取締役の勝美容疑者(76)。逮捕容疑は、2人は共謀し、町が7月6日に実施した配水管更新工事の入札で、小泉容疑者側に現金50万円を渡し、教えられた最低制限価格827万6千円(税別)と同額で工事を落札した疑い。
公共工事の最低制限価格を予想する際には、事前に公表される工事の概要を元に積算ソフトで価格を出すのが一般的となっている。
●「資料見る様子なく」
青谷工業の従業員によると、同社は積算ソフトを持っておらず、従業員が武容疑者から伝えられた価格で入札に参加していた。従業員は北國新聞社の取材に「社長(武容疑者)が資料を見て入札価格を考えている様子はなかった。どう決めていたのかは分からない」と話した。
同社の入札実績では、昨年7月に配水管工事を1804万4400円(税込み)、同9月に別の下水道管工事を903万5400円(同)で落札。いずれも最低制限価格を1100円上回る金額だった。
この事件では、受託収賄の疑いで小泉容疑者の妻で会社役員の美穂容疑者(56)も逮捕された。小泉容疑者らの逮捕容疑は、2人で共謀し、6月下旬に青谷工業から工事の入札で便宜を図るよう依頼され、現金を受け取り、7月上旬に最低制限価格を漏らして同社に落札させた疑い。
4容疑者は31日、金沢地検に送致された。