【財政審】調剤報酬“改革”、「調剤基本料1の適用範囲の見直しを」

【2023.11.01配信】財務省は11月1日、財政制度等審議会(財政審)財政制度分科会を開き、その中で調剤報酬改定の改革について案を示した。調剤基本料1の範囲を見直すことや地域支援体制加算の要件見直しについて言及している。

財務省は資料の中で、調剤報酬の課題として調剤基本料を挙げた。

調剤基本料は、「薬局の運営維持に要するコストを、処方せんの集中率と受付回数の側面を含めた効率性の観点も含め、経営の実態を踏まえて評価したもの」とした上で、「実際に集中率が高い薬局は備蓄している医薬品目数が少ない傾向にあり、その点においては集中率の低い薬局に比べ低コスト。なお、いわゆる敷地内薬局については、誘致が過熱するなどの課題が生じている」と指摘。

令和2年度診療報酬(調剤報酬)改定については、「一部の処方せん集中率が高い薬局を調剤基本料2や調剤基本料3イの対象とする見直しを行っている」としつつも、「その影響は極めて限定的であり、見直しは不十分」と言及。予算執行調査の結果を挙げ、「処方せん集中率が高い薬局であっても、集中率が低く小規模な薬局と同様に調剤基本料1が算定されている」と問題意識を示した。

その上で「改革の方向性(案)」として、「経営の実態も踏まえながら、処方せん集中率が高い薬局等における調剤基本料1の適用範囲等を見直す」とした。

加えて、地域支援体制加算の要件についても問題を指摘。地域支援体制加算については、「地域包括ケアシステムの中で地域医療に貢献する薬局を評価するもの」とした上で、「調剤基本料1の薬局を対象とした地域支援体制加算1・2は、それ以外の調剤基本料の薬局を対象とした地域支援体制加算3・4に比べ、実績に係る要件が大きく緩和されている」ことを問題視。
その上で、「改革の方向性(案)」として、「調剤基本料1の薬局を対象とした地域支援体制加算1・2の要件について、地域医療に貢献する薬局を重点的に支援する観点から抜本的に見直す」とした。「見直しの例」としては、「処方せん集中率が高い薬局の後発品調剤割合要件の見直し、残薬への対応や減薬の提案に係る実績の必須化、 地域連携薬局の認定を受けていることを要件化」とした。

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