株式会社竹中工務店（以下、竹中工務店）は10月30日、マルチ水素ステーション※1と建物の連携を想定した新たな実証実験を2023年8月より開始したと発表。同社グループ会社が所有するTAK新砂ビル敷地内の水素実証施設で実施しているという。
※1 水素ステーションが燃料電池自動車(FCV: Fuel Cell Vehicle)へ燃料となる水素を補給する場所であるのに対し、マルチ水素ステーションは周辺地域や建物といったFCV以外への燃料供給など多岐に渡る活用が想定されている。（プレスリリースより）
同実証の目的は、地域の燃料供給拠点の拡大に貢献することだ。2016年より実証を開始したTAK新砂ビル敷地内のオンサイト型※2水素実証施設を、マルチ水素ステーションからの水素供給を想定したオフサイト型※3システムへ再構築する。これにより、水素インフラを前提とした建物での安全かつ安定的な水素の受け入れ・供給・貯蔵方法を検証する。
※2 再生可能エネルギーを使用し、事業者が敷地内で水素を製造する方法。
※3 事業者自身が水素を製造するのではなく、外部から水素を受け入れて使用する方法。
同実証では、マルチ水素ステーションと建物の連携、および高圧水素の受け入れというオフサイト型システムを構築することで、オンサイト型システム以外の水素導入バリエーションが増える。これにより、これまでオンサイト型システムで水素を導入できなかった建物でも、水素を活用していくことが可能になる。
なお、同社は、今後今回の実証で構築するオフサイト型システムの提案を目指す。これにより、オフィスビル、商業施設、工場などにおける建物、および地域の燃料供給拠点の拡大に貢献することも視野に、ユーザーの脱炭素に関わる目標の達成を支援していくという。また、水素社会の到来に合わせて、同技術を活用しまちづくりに貢献していくと述べている。
（出典：竹中工務店 Webサイトより）
