「医師の記入忘れが多く…」沖縄県、診療報酬の書類に不備 国から指導 返納額は億単位か 県立南部医療センター

 沖縄県立南部医療センター・こども医療センターで診療報酬に関する書類に不備があり、国から指導を受けていたことが31日、分かった。診療報酬を保険組合などに自主返納する方針で、関係者によると、今後の精査次第では金額が億単位となる可能性もある。

 県病院事業局によると、保険診療の適正化や請求方法の周知徹底を目的に9月に厚労省から聞き取りがあり、1~2月に同センターで診療を受けた50人分のカルテの記載漏れなどついて指導があった。各種検査を実施するための根拠やリハビリ計画に関する医師の確認などが記されておらず、診療報酬を請求する際に必要なルールが徹底されていなかった。

 同局は今後、国から送付される正式な文書を確認した上で、請求期限となる過去5年間までさかのぼって内容を精査したい考えだ。返納額などを確定した上で「速やかに返納したい」とした。

 ミスについては「医師の記入忘れが多く、ルールの周知徹底が足りなかった。事務補助員を配置するなどチェック体制を強化し、正確に記載できる環境を整えたい」と話した。

 県では事務処理の不手際やミスが相次いでいる。(社会部・下里潤)

(資料写真)県立南部医療センター・こども医療センター

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