ロシアのミサイル、10月は激減 冬の電力インフラ攻撃へ備蓄か

ロシアの攻撃で損傷したウクライナ東部ドニエプロペトロフスク州の変電施設=9月(ロイター=共同)

 【キーウ共同】ウクライナに侵攻するロシアが10月、ミサイル攻撃の頻度を大幅に減少させたことが分かった。冬季に電力インフラへの攻撃を拡大するためミサイルを備蓄しているとの見方があり、ウクライナのゼレンスキー大統領は「敵の狙いは明確」とインフラ攻撃には報復すると警告し、けん制している。

 経済誌フォーブス・ウクライナ版によると、ロシアは昨年2月の侵攻以降、巡航ミサイルや弾道ミサイルを含む計3千発以上のミサイルを発射した。大規模インフラ攻撃を開始した昨年10月は245発、同11月は197発、同12月は281発が撃ち込まれた。

 昨冬のインフラ攻撃では各地で電気やガスの供給停止が頻発し、人々の暮らしに大打撃を与えた。社会に厭戦気分を広げて国民の士気を低下させる狙いとみられ、欧米は「冬の寒さを武器にしている」と批判した。

 今年も10月前後にインフラ攻撃が激化するとの観測もあったが、フォーブスによると、10月は31発で、9月の132発から4分の1以下に激減した。昨年10月との比較では約13%に過ぎない。

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