【10月速報】 10月の「円安」関連倒産 6件、3カ月ぶりに前年同月を上回る(10月31日現在)

2023年10月の「円安」関連倒産は6件(前年同月4件)で、3カ月ぶりに前年同月を上回った。2022年7月から16カ月連続で「円安」関連倒産が発生し、2023年1-10月の累計は45件に達した。

2023年10月の「円安」関連倒産は、卸売業4件、小売業とサービス業他が各1件だった。コロナ禍から抜け出す過程で、加速する円安が経営に追い打ちをかけている。原油、穀物などの価格上昇に加え、円安で輸入原材料がコストアップを招き、収益悪化で行き詰まる企業が増えている。

2023年11月1日、東京外国為替市場で一時、1ドル=151円に下落し、約1年ぶりの円安水準となった。
円安は、原材料や資材から燃料や電気、ガスなどのエネルギー価格まで、幅広いコストアップを招いている。コロナ禍からの業績回復が遅れる中小・零細企業ほど、価格上昇分の転嫁が進まず、資金繰りへの影響は大きい。
円安で輸出産業の業績が好調を維持する一方で、内需型産業や収益力の乏しい中小・零細企業は物価高が直撃し、業績回復の足かせになっている。

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