重症患者を運ぶ「ドクタージェット」、試験運用に向けクラファン 1億円目指す

日本重症患者ジェット機搬送ネットワーク(JCCN)は、ドクタージェットの試験運用の準備費用を募るクラウドファンディングを始めた。

重症患者を高度専門病院へ、治療を行いながら搬送するためのジェット機を1年間試験運用する費用を募るもの。重症患者の搬送のほか、集中治療継続患者後方搬送、帰省搬送、臓器移植時の患者や臓器の搬送を見込む。

高度専門病院は東京や大阪などの一部に限られており、民間航空機やヘリコプターでは医療機器の電源を確保することが不可能であったり、医療行為を行いながら搬送することが困難であるという。北海道では北海道患者搬送固定翼機運航事業で北海道航空医療ネットワーク研究会が医療用小型ジェット機「メディカルウイング」で2010年から93例の小児患者を搬送しているほか、オーストラリアやスイスでは寄付や政府財源で運用されている。試験運用により全国の患者の実態を把握した上で、将来的に国に対し、ドクタージェットの配備を求める考え。

高度専門病院が近い伊丹空港にジェット機を常駐させるには月1,000〜3,000万円、医療チームの人件費は同300万円、患者搬送中の医療材料や機器には約1,000万円かかるという。目標金額の1億円が集まれば最低限の準備を進めることが可能で、期間の縮小や拠点を小牧空港にすることなどによって、運用できるとしている。2024年4月の運用開始を目指す。

目標金額は1億円で、2024年1月29日午後11時まで、クラウドファンディングサービスのREADYFORで実施する。3,000円から1,000万円まで12コースを用意する。目標金額に到達しなかった場合でも支援金を受け取ることができるオールイン形式で実施する。

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