8時間先のゴールに待つ世界一の称号、最後に手するのは誰だ【スケジュール&基本情報/WEC第7戦バーレーン】

 11月2日(木)から4日(土)にかけて、中東のバーレーン・インターナショナル・サーキットで、WEC世界耐久選手権の2023年シーズン第7戦『バーレーン8時間レース』が開催される。

 3月にアメリカ・フロリダ州のセブリングで開幕したWECの2023シーズンは、100周年の記念大会として開催されたル・マン24時間レースを含め、ここまで計6ラウンドが行われてきた。今季は全7戦で構成されているため、バーレーンは今年もシーズンフィナーレの舞台となる。

■LMP2のWECシリーズ戦最後のレース、LMGTEは本当に見納め

 最終戦へのエントリー台数は前戦の富士6時間レースから変わらず“36”だ。トップカテゴリーのハイパーカーは6メーカーから計12台が出場。全車がオレカ07+ギブソンエンジンのパッケージを選択しているため実質的にワンメイクカテゴリーとなっているLMP2は11台、今大会で見納めとなるGTEアマクラスでは、4メーカー計13台のLMGTE規定車が“最後の公式戦”のグリッドに並ぶ。

 エントリー台数と同様に出場チームも日本ラウンドから顔ぶれに変化はないが、一部のチームではドライバーラインアップの変更が確認され既報のとおり、フロイド・ヴァンウォール・レーシングチームでは、スーパーGT最終戦もてぎに出場するジョアオ・パオロ・デ・オリベイラに代わりライアン・ブリスコーがラインアップに加わった

 また、プジョー・トタルエナジーズの94号車は第6戦富士を欠場したニコ・ミューラーが復帰。LMP2クラスでも同様のパターンでトム・ブロンクビスト(ユナイテッド・オートスポーツ)と、ミルコ・ボルトロッティ(プレマ・レーシング)がそれぞれチームに再合流し、GTEアマクラスではダニエル・セラがケッセル・レーシング57号車のシートに戻る。なお、ケッセルでは木村武史のエントリーは変わらないが、第2ドライバーはスコット・ハファカーからエステバン・マッソンへと変更されている。

 一方、AFコルセの21号車はここにきて新しいラインアップとなり、ブロンズドライバーにフランス人のフランク・デゾトーを迎えた。また、すでにお伝えしているとおりDステーション・レーシングも今回ラインアップに変更があり、オーナードライバーの星野敏の代役としてリアム・タルボットが登録されている

ハイパーカークラスのドライバー選手権をリードする8号車トヨタGR010ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)

■バーレーンで2クラスのチャンピオンが確定

 シーズン最終戦とあってはチャンピオンシップの行方も気になるところだ。今大会を前に“プラットフォームBoP”と呼ばれる性能調整が入ったハイパーカークラスは、すでにマニュファクチャラーズタイトルが決定済み。最終戦までもつれたドライバーズタイトルは計算上トヨタの7号車と8号車、フェラーリAFコルセの51号車と50号車の4台にチャンスがあるが、イタリアメーカーの2台はともに優勝が絶対条件となる。

 一方、チームメイトをの7号車トヨタGR010ハイブリッドを15ポイントリードしている“現王者”セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮の8号車は、決勝2位以上で自力でのタイトル獲得が可能だ。

 WECに限りカテゴリーの廃止が決まっているLMP2クラスは、チームWRTの41号車が135ポイントで選手権をリード。これをインターユーロポル・コンペティションの34号車のトリオが33ポイント差で追いかける展開だ。今季のル・マンウイナーと1ポイント差、101ポイントでランキング3位につけるユナイテッド・オートスポーツ22号車までがタイトル獲得の権利を有すが、34号車と22号車もフェラーリと同様に、逆転戴冠には勝利が絶対条件となる。

 2クラスで最後までチャンピオン争い続くなか、唯一の例外はGTEアマだ。このクラスでは7月に行われた第5戦モンツァで早々にドライバー選手権、チーム選手権の両タイトルが確定済み。6レース中5レースで表彰台に上がり、うち3勝をマークしているコルベット・レーシングがLMGTEカテゴリー最後のシリーズチャンピオンとなっている。

 金曜日に予選、土曜日に決勝レースが行われるシーズンフィナーレ・イベント『バーレーン8時間レース』のタイムスケジュールや放送予定、エントリーリストなどは以下を確認してほしい。

2022年WEC第6戦バーレーン8時間レースのスタートシーン

■イベント正式名称

8 Hours of Bahrain

■サーキット&イベントデータ

・名称:バーレーン・インターナショナル・サーキット
・全長:5412m
・コーナー数:15
・レース距離:8時間

WECが発行しているバーレーン・インターナショナル・サーキットのコース図

■タイムスケジュール(11月1日現在、日本時間)

・11月2日(木)
18:15~19:45 フリープラクティス1
23:30~25:00 フリープラクティス2

・11月3日(金)
18:00~19:00 フリープラクティス3
22:15~22:30 LMGTEアマ予選
22:40~22:55 LMP2予選
23:05~23:20 ハイパーカー予選

・11月4日(土)
20:00~翌4:00 決勝

■TV放送/映像配信予定

・FIA WEC TV
11月3日(金)
18:00~19:00 FP3(WEC公式アプリ/WEC公式YouTubeチャンネル

・J SPORTS
11月3日(金)
22:05~24:30 予選(J SPORTS オンデマンド)

11月4日(土)
19:30~翌4:30 決勝(J SPORTS 3/J SPORTSオンデマンド)

■ライブタイミング&ストリーミング

FIA WEC公式ページ:https://www.fiawec.com/en/

■2023年WEC第7戦バーレーン 最新エントリーリスト(11月1日現在)

Pos. No. Class Team Car Driver Tyre

1 2 HYPERCAR キャデラック・レーシング キャデラックVシリーズ.R E.バンバー
A.リン
R.ウエストブルック MI

2 4 HYPERCAR フロイド・ヴァンウォール・
レーシングチーム ヴァンウォール・
バンダーベル680 E.グエリエリ
T.ボーティエ
R.ブリスコー MI

3 5 HYPERCAR ポルシェ・ペンスキー・
モータースポーツ ポルシェ963 D.キャメロン
M.クリステンセン
F.マコウィッキ MI

4 6 HYPERCAR ポルシェ・ペンスキー・
モータースポーツ ポルシェ963 K.エストーレ
A.ロッテラー
L.ファントール MI

5 7 HYPERCAR トヨタ・ガズー・レーシング トヨタGR010ハイブリッド M.コンウェイ
小林可夢偉
J-M.ロペス MI

6 8 HYPERCAR トヨタ・ガズー・レーシング トヨタGR010ハイブリッド S.ブエミ
B.ハートレー
平川亮 MI

7 38 HYPERCAR ハーツ・チーム・JOTA ポルシェ963 A.F.ダ・コスタ
W.スティーブンス
Y.イェ MI

8 50 HYPERCAR フェラーリ・AFコルセ フェラーリ499P A.フォコ
M.モリーナ
N.ニールセン MI

9 51 HYPERCAR フェラーリ・AFコルセ フェラーリ499P A.ピエール・グイディ
J.カラド
A.ジョビナッツィ MI

10 93 HYPERCAR プジョー・トタルエナジーズ プジョー9X8 P.ディ・レスタ
M.イェンセン
J-E.ベルニュ MI

11 94 HYPERCAR プジョー・トタルエナジーズ プジョー9X8 L.デュバル
G.メネゼス
N.ミューラー MI

12 99 HYPERCAR プロトン・コンペティション ポルシェ963 N.ジャニ
G.ブルーニ
H.ティンクネル MI

13 9 LMP2 プレマ・レーシング オレカ07・ギブソン F.ウグラン
B.フィスカール
J-M.コレア GY

14 10 LMP2 ベクター・スポーツ オレカ07・ギブソン R.カレン
M.カイザー
G.オーブリー GY

15 22 LMP2 ユナイテッド・オートスポーツ オレカ07・ギブソン F.ルビン
P.ハンソン
F.アルバカーキ GY

16 23 LMP2 ユナイテッド・オートスポーツ オレカ07・ギブソン J.ピアソン
T.ブロンクビスト
O.ジャービス GY

17 28 LMP2 JOTA オレカ07・ギブソン D.ハイネマイヤー・ハンソン
P.フィッティパルディ
O.ラスムッセン GY

18 31 LMP2 チームWRT オレカ07・ギブソン S.ゲラエル
F.ハプスブルク
R.フラインス GY

19 34 LMP2 インターユーロポル・
コンペティション オレカ07・ギブソン J.スミエコウスキー
F.シェーラー
A.コスタ GY

20 35 LMP2 アルピーヌ・エルフ・チーム オレカ07・ギブソン A.ネグラオ
M.ロハス
O.コルドウェル GY

21 36 LMP2 アルピーヌ・エルフ・チーム オレカ07・ギブソン M.バキシビエール
J.キャナル
C.ミレッシ GY

22 41 LMP2 チームWRT オレカ07・ギブソン R.アンドラーデ
R.クビサ
L.デレトラズ GY

23 63 LMP2 プレマ・レーシング オレカ07・ギブソン D.パン
M.ボルトロッティ
D.クビアト GY

24 21 LMGTE Am AFコルセ フェラーリ488 GTEエボ F.デゾトー
S.マン
K.コッツォリーノ MI

25 25 LMGTE Am ORT・バイ・TF アストンマーティン・
バンテージAMR A.アル・ハーティ
M.ディナン
C.イーストウッド MI

26 33 LMGTE Am コルベット・レーシング シボレー・コルベットC8.R B.キーティング
N.バローネ
N.キャツバーグ MI

27 54 LMGTE Am AFコルセ フェラーリ488 GTEエボ T.フロー
F.カステラッチ
D.リゴン MI

28 56 LMGTE Am プロジェクト1・AO ポルシェ911 RSR-19 PJ.ハイエット
G.ジャネット
M.カイローリ MI

29 57 LMGTE Am ケッセル・レーシング フェラーリ488 GTEエボ 木村武史
E.マッソン
D.セラ MI

30 60 LMGTE Am アイアン・リンクス ポルシェ911 RSR-19 C.スキアボーニ
M.クレッソーニ
A.ピカリエッロ MI

31 77 LMGTE Am デンプシー・プロトン・
レーシング ポルシェ911 RSR-19 C.リード
M.ペデルセン
J.アンドラウアー MI

32 83 LMGTE Am リシャール・ミル・AFコルセ フェラーリ488 GTEエボ L.P.コンパンク
L.ワドゥ
A.ロベラ MI

33 85 LMGTE Am アイアン・デイムス ポルシェ911 RSR-19 S.ボビー
M.ガッティン
R.フレイ MI

34 86 LMGTE Am GRレーシング ポルシェ911 RSR-19 M.ウェインライト
R.ペーラ
B.バーカー MI

35 98 LMGTE Am ノースウエストAMR アストンマーティン・
バンテージAMR I.ジェームス
D.マンチネッリ
A.リベラス MI

36 777 LMGTE Am Dステーション・レーシング アストンマーティン・
バンテージAMR L.タルボット
C.スティーブンソン
藤井誠暢 MI

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