茨城放送(茨城県水戸市)は1日、主に県南と県西地域をカバーする土浦、県西の両AM中継局の停波実験を来年2月から半年間実施すると発表した。中継局を停波する一方、両地域でAM親局(1197キロヘルツ)の電波は引き続き受信可能な上、同じ内容をFM放送で受信できる。同社は全国のAMラジオ事業者と同様に、FM放送への一本化で効率的な放送事業の維持継続を目指す。
実験は、国からの特例措置を受けてAM電波を半年間止め、利用者への影響などを調べる目的がある。調査を踏まえ、将来的にFM放送に一本化することで、中継局などの設備費用やメンテナンスといったFM・AMへの二重投資を解消し、経営や放送事業の効率化を図る。
同社によると、今回停波する両中継局がカバーしている世帯数は35市町村79万2344世帯。
同日、同社は県庁で記者会見し、阿部重典社長と北島重司会長が出席した。阿部社長は「FM放送局への転換はラジオ業界にとって大きな変革」とし、「リスナーや自治体などに丁寧な説明をして周知していく」と述べた。