知られざる、忘れられつつあるスーダン、イエメンの惨状…憎しみの連鎖を断つためにも必要なものとは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。10月30日(月)放送の「New global」のコーナーでは、深刻な状況にある“スーダン”と“イエメン”について取り上げました。

◆危機的なスーダン・イエメンで今、必要なもの

ウクライナに続き、イスラエル・パレスチナでも多くの死者が出ていますが、スーダンでもかねてから非常に深刻な状態が続いています。

国連のレポートによると、スーダンではこれまで最大9,000人の死者が出ており、OCHA(国際連合人道問題調整事務所)は推定580万人が国内外へ避難しているとしています。さらには、子どもたちの命の危険も。現地では医療機関が軍事施設に置き換わっているため、2歳未満の子ども約110万人が必要なワクチン接種を受けられず、ユニセフ(国際連合児童基金)やWHO(世界保健機関)は今年の年末までに1万人以上の子どもが死亡する可能性があると警告しています。

そして、スーダンに加えてもうひとつ、"忘れられた紛争”が起きているのがイエメンです。スーダンでは今、国軍とRSF(即応支援部隊)が戦闘を繰り広げていますが、そのRSFを雇うような形でイエメンの紛争に投入してきた大国があるとか。キャスターの堀潤は「格差の階層の連鎖によってこの紛争が成り立っている」と嘆きつつ、スーダンとイエメン、両国に今、必要なこととして"教育”を挙げます。

事実、日本のNGO団体「JVC(日本国際ボランティアセンター)」は今、両国での教育支援に乗り出し、クラウドファウンディングを実施(放送当日に終了)。スーダンでは戦闘で全土の学校が新学期を迎えられないなか、「補習教室」を再開。一方、紛争で270万人の子どもが学校に通えないイエメンでも教育の機会を生み出そうと奮闘しているそうです。

堀は「もちろん最初は保健・医療、食事が必要だが、やはり教育がないと憎しみの連鎖が生まれてしまう」と懸念します。

◆スーダン・イエメンで日々活動している日本人が伝えたいこと

この日はスーダンとイエメンで日々活動しているJVCの今中航さんからのメッセージを紹介。今中さんは「生まれ育った家が爆撃や略奪の被害に遭い、故郷の街を離れ、親戚・友人と別れも言えないまま散り散りになってしまい、いつ帰れるかわからないままであることがどう言ったことか一度想像していただきたい」と切望します。

NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんは「各国のNGOが現場に入って活動をしているが、国連などの国際機関はどうしてもイスラエル・パレスチナのようなことが起こるとそっちに集中せざるを得ない」と現状を危惧。そして現状を打開する方法として、こうしたNGOなどへ市民が寄付し、サポートをする方法があると呼びかけていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

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