ティアフォーが街づくり開始 自動運転実装、技術革新リニア沿線で

自動運転開発の株式会社ティアフォー(以下、ティアフォー)はスマートシティづくりを開始する。JR東海によるリニア中央新幹線の沿線事業開発に、中心となって協力する。11月1日、JR東海、神奈川県と、リニア新駅が新設される同県相模原市が連携協定を結び、会見の場でティアフォーの加藤真平CEOが明らかにした。

ティアフォーは、JR東海や、リニア沿線の自治体とその住民、企業と協力して街づくり、イノベーション共創を図る。まず相模原市でスマートシティづくりを進める。同社の知見を自動運転の社会実装に生かし、研究機関や企業の誘致、産学連携なども通じて地域と暮らしの価値向上に貢献する。

相模原で未来のテクノロジーをエンタメ体験

加藤CEOは「リニアも体験でき、自動運転はもちろん、さまざまな未来のテクノロジーに触れる機会を提供することで人が自然と集い、生活の質が向上する街をつくりたい」と会見で述べた。ティアフォーとパートナーが連携して先進技術に触れる街をつくる。

AI、人間拡張やバイオ技術といった最先端の大学研究を、エンターテインメントとして街を訪れる人に気軽に楽しんでもらうような形を考えているという。

また、さまざまなニーズに適したモビリティのソリューションを提供する。「モビリティ、保険、通信、決済などを含めた『街づくりソリューション』をパッケージにしても面白いかもしれません」(加藤CEO)。

企業、自治体手を取りイノベーション起こす

スマートシティづくりは、リニア新駅「中央新幹線神奈川県駅」が建設される相模原市・橋本駅南口周辺から始まる。周辺では、JR東海が沿線事業開発の拠点となるR&D;センター建設を進めており、2024年春に運営を開始する計画。

センター建設は、相模原市公募の「イノベーション創出促進拠点運営委託事業」で選定されたもの。また、相模原市を含む神奈川県の12自治体は国の地域活性化総合特区「さがみロボット産業特区」に指定されていて、今回、JR東海、神奈川県、相模原市によるイノベーション創出促進の連携協定につながった。各者が進めてきた取り組みを一層の技術革新に生かす。

ティアフォーはJR東海からの依頼を受け、リニア沿線でのイノベーション創出に協力する。加藤氏はティアフォー創業者・CEO並びに東京大学特任准教授の立場で関わってきた。自動運転システムの開発・運用を市内で行っている経緯もあって相模原市はティアフォーと縁が深い土地だという。

ティアフォー国内初の歩車混在レベル4取得 設計プロセス公開へ

株式会社ティアフォー(以下、ティアフォー)は10月20日、同社の自動運転システム「AIパイロット」が、道路運送車両法に基づく自動運転レベル4の認可を取得したと発表した。歩行者、一般車両が混在する環境での自動運転システムに対するレベル4認可は全国初という。ティアフォーは認可に関連して得たプロセ...

※画像提供:ティアフォー

© 株式会社自動車新聞社