弥生時代の墓跡解説 茨城・水戸で埋蔵文化財研修会 全国連絡協

弥生時代の再葬墓調査などについて語る鈴木素行さん=水戸市宮町

全国埋蔵文化財法人連絡協議会は1日、茨城県水戸市内で研修会を開き、31法人の代表者ら約100人が参加した。研修は2日間の日程で、初日は「弥生時代再葬墓と人面付土器」をテーマに、同県常陸大宮市での発掘調査の成果に関する基調講演や分科会が行われた。

同協議会は、埋蔵文化財の調査研究や普及に関わる事業の推進を狙いに、1980年に発足した。情報交換を通して相互に理解しようと、全国持ち回りで研修会を実施している。

基調講演は、発掘調査に携わる常陸大宮市教委の鈴木素行さん(64)が茨城県の弥生時代の墓跡を中心に解説。遺体を土葬して骨化させてからつぼに納め、再び埋葬する「再葬墓」や、そこで見つかった人面付土器の特徴などを詳しく説明した。

人面付土器は、那珂川や久慈川流域、茨城県西・栃木県東部で各地域ごとに顔立ちや模様、形状に特性があることに触れ、「共通点もあり、それぞれ個性を主張している。本物を見て確かめてほしい」などと話した。

研修会は2日、同市歴史民俗資料館を訪れ、泉坂下遺跡から出土した国重要文化財に指定されている人面付土器などを見学する。

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