秋の褒章 茨城県内受章者喜びの声

永瀬菊江さん、石塚清博さん、小野寺治子さん(左から)

秋の褒章受章者が2日付で発表された。茨城県内は緑綬褒章1団体、黄綬褒章7人、藍綬褒章9人。喜びの声を聞いた。(名簿は敬称略)

■緑綬褒章 幅広くこつこつ活動 奉仕団体 石下ぼらんてぃあの会 常総

30年以上、地域貢献活動に励んできた「石下ぼらんてぃあの会」(常総市)。永瀬菊江会長(73)は「褒章を頂けるとは思っていなかった。決して華やかな活動ではないが、認めてもらえたと感じた」と喜びを表した。

1990年に設立。現在、会員40人が所属している。「集まりがよく、楽しい雰囲気で活動できる」という点が同会の強みだ。

子どもから高齢者まで幅広い年齢層に対しボランティアを行う。市役所や常総線石下駅へのプランター設置、保育園や幼稚園での読み聞かせ、1人暮らしの高齢者に贈る手芸品の制作など、活動内容は多岐にわたる。

新型コロナウイルスの影響で制限されてきた活動も再開しつつある。今後も「今までやってきたことをこつこつと積み重ね、楽しく活動していきたい」と決意を新たにした。

■黄綬褒章 地域と共に誠心誠意 結城信用金庫理事長 石塚清博さん(64) 結城

「褒章は自分とは程遠い存在だと思っていた。今後も変わらず受章を胸に誠心誠意仕事に当たっていきたい」と語る。

1982年に結城信用金庫に入庫。現在まで40年以上地域とつながり業務をこなしてきた。若手の頃、根気強く誠意を持って対応し続けたことで、こわもてで話しかけづらい顧客から「お前に任せる」との言葉をもらった経験が今につながっている。自身の報われた気持ちと、その一言に詰まった相手からの信用や感謝の意味を今も思い出し、仕事の軸にしている。

2018年には同信用金庫の理事長に就任。近年は人工知能(AI)をはじめ、技術発展が著しい中、「デジタル化はあくまでもツール」と指摘。「効率化がどれだけ追求されても、人にしかできない部分は残る。そこを大切にして地域と共に歩んでいきたい」と意欲を表した。

■藍綬褒章 子どもの安全見守る 元防犯連絡員協議会長 小野寺治子さん(80) 牛久

約40年間にわたり、子どもたちの登下校を見守ってきた。「自分では当たり前のことをやってきたから、連絡が来て驚いた。こんな立派な賞を頂いていいのかしら」と、喜びの笑顔を見せた。

夫と幼い娘と共に牛久市に住み始めて約10年が過ぎたころ、行政区長から防犯連絡員をやらないかと打診された。「困り事は放っておけないたちだから」と引き受けた。小学校を訪問し、集まった児童に交通安全を啓発する活動に取り組んだ。

子どもが安全に帰れるよう、登下校の時間に合わせた見守りや声かけを続けている。母親に見送られて登校していた1年生が成長し、次第に気恥ずかしさ交じりにあいさつできるようになる姿が印象に残る。「おはよう」「暑いね。水飲んでいく?」など、何げないやりとりが防犯につながると実感している。

▽緑綬褒章(1団体)
石下ぼらんてぃあの会 地域交流
支援活動奉仕団体 常総
▽黄綬褒章(7人)
石塚 清博 64 結城信用金庫理事長 結城
佐川 宏智 61 日立産機システム受
変電制御システム事業部受変電システム製作課製造技術係員 高萩
滝安夫 56 三菱重工業GTCC事業部発電機製造部電工課範師・上席主任 高萩
知久貴 69 知久板金工業代表取締役 古河
富田秀 61 富田産業代表取締役 桜川
宮本俊江 53 NECセキュアシステムプラットフォーム研究所勤務 稲敷
渡辺美津子 67 ケアハウス「よしの荘」生活相談員 常総

▽藍綬褒章(9人)
大野誠一 75 保護司 取手
小野寺治子 80 元牛久市防犯連絡員協議会長 牛久
勝浦光雄 75 保護司 神栖
菊地忠 75 保護司 筑西
沢木清司 61 八千代町消防団長 八千代
清水見龍 86 かすみがうら市選管委員長 かすみがうら
真家弥太郎 81 元農林業センサス調査員 石岡
村田昌 78 元民生・児童委員 守谷
和田雅治 76 保護司 城里

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