170mの超高層複合ビル秋葉原の再開発 賛否分かれる地権者の声

電気街などで知られる秋葉原に、超高層複合ビルなどを建設する再開発についてです。この開発については20年ほど議論が続いていて、現在もなお地権者の中で、賛否が分かれています。こうした中、再開発を進める千代田区は、開発に必要な地権者の3分の2以上の同意が得られる見通しとなったことを明らかにしました。これで事業が進められることになったのですが、賛否が分かれる地権者、そして住民の声を聞きました。

外国人観光客からも人気の電気街として知られる秋葉原。家電量販店オノデン本館などがある古くからの電気街に、総事業費約854億円のプロジェクトが動き出しています。

「外神田一丁目再開発」と名付けられ、1.7haの土地に高さ170mの超高層ビルなど2棟を建設する計画です。再開発に向けた検討が進められ、今年7月、都市計画を定める千代田区は審議会に計画案を諮り、賛成多数で可決しました。ただ、現在でも再開発地域の土地を所有する地権者の中で賛否が分かれています。

再開発に慎重な姿勢を見せている地権者の石丸電気の元社長、石丸さんは区の姿勢に憤りを示しています。

石丸さん:「あきれ果てているというのが正直なところで、怒りを通り越している。こういう行政をしてはいけないなと。なんで民間主導で民間発意が区だとかが出てくるのかと。何かメリットがあるのかと思わざるを得ない」

また、長年この地域で事業を行う荻野さんは、この再開発は「大義名分が無い」と話しています。

荻野さん:「秋葉原のこの再開発は何のためにやるのか、全く僕は分かりません。再開発全てに反対している低次元な話ではなくて、この再開発は大義名分がないと。では何で行われるのかというと、どなたが潤うのかと考えれば分かるのではないかと」

一方、再開発を進めてほしいと訴える地権者に取材をすると…「街の魅力向上のためであり、生き延びるためです」「災害に対して脆弱である」「ゴミ・落書き・風俗店の進出など「好ましくない」街化が進んでいる」

このように、いまだ地権者の中で賛否が分かれているこの事業。千代田区は、賛同者が開発に必要な同意が得られる見通しだとして、年度内にも正式に決定する予定です。

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